FLAG トラック向け「採用Webサイト」制作 「採用ページは選ばれる理由を伝える場所」

トラック運送会社に向けた採用に特化したWebサイトや各種動画コンテンツなどの制作を手がけるFLAG(岡本拓弥社長、石狩市)。「大きな旗(FLAG)を立て、人や仕事、喜びが集まる目印になる」(岡本社長)という思いで昨年5月、岡本社長の40歳の誕生日に創業した。

札幌市内の物流システム企業に長く勤務し、デジタコやドライブレコーダー、関連ソフトウェア、Webコンテンツ制作などの提案を行ってきた。明るく誠実な人柄やフットワークの軽さ、注意の行き届いた顧客へのアフターフォローや情報提供などにより、道内のトラック業界ではよく知られた営業マンだった。顧客への正確なアドバイスに生かすため、2018年には独学で運行管理者試験に一発合格。また、動画の企画、撮影、編集なども得意としており、トラック業界などの取り組みを紹介する各種映像コンテンツの制作も行なってきた。

これらのスキルを生かし、FLAGでは動画をふんだんに活用した運送会社向けの採用Webサイトを制作。構成から、動画用のインタビュー、編集までワンストップで行う。

岡本社長は「運送会社では、求人媒体に多額の費用をかけて募集したり、コーポレートサイトに募集要項を載せるのが一般的。しかし、採用に至っても企業とドライバーのミスマッチで、早期退職してしまうケースが少なくない。また、運送会社と求職者が会って話せるのは面接の時で、面接までのハードルも高い」とし、「事前に動画で経営者の考えや社内の雰囲気、仕事の流れやドライバーの実際の声などを見てもらえれば、『価値観が合いそう』『ここで働いてみたい』という人が面接に来るようになり、マッチングの精度が高まる。求人広告は募集する場所、採用ページは選ばれる理由を伝える場所」と説明する。

また、多くの運送会社を見てきた経験から、その会社の強みを第三者の立場から見出し、求職者に効果的にアピールするようコンテンツを作り込む。インタビューは、経営者の「素の表情」が出るよう、岡本社長がアドリブも交えて行うようにしている。実際に制作したサイトでは、予想外の質問に対し、「悩んで答えを絞り出したり、頭をかかえる社長の姿」の動画が使われている。

「1分の動画の情報量は、Webページに換算すると3000ページ以上と言われている。動画による採用サイトを活用すれば、その会社で働く意義を理解し、一緒になって働くイメージを持った人が応募してくる」と説明する。

「運送業界に長く携わってきたからこそ伝えられるリアルがある。実際に使える構成・言葉・空気感を盛り込んだ採用ページを作成することで、“○○運輸っぽい人”と出会うための採用発信を、全力でお手伝いする」としている。

同社の採用サイトの最初の顧客となった世紀開発サービス(札幌市清田区)の権藤伸一社長は、その出来栄えに「素晴らしい動画とサイトを作ってくれた。イメージしていたものより数段良かった」と評価する。

「岡本さんが前職でデジタコの飛び込み営業に来たのがきっかけで知り合い、10年来の付き合い。デジタコ導入はしばらくしなかったが、その間も相談事などに丁寧に対応してもらい、販売後も何かあれば夜中でも駆けつけてくれ、『やり切る人』と信頼をしていた」とし、FLAGが採用サイト制作の実績がないなかで発注した。

出来上がったサイトには約6分の「社長インタビュー」と「社員のインタビュー」、そして、約16分の「ドライバーの1日に密着」などの動画が掲載されている。

権藤社長は「このサイトを見てもらえれば、当社で働くことについての不明点が面接までにほぼ解決しているはず。Web上で擬似的な会社見学をしてもらえる。『1日に密着』の動画は、岡本さんが朝から夜まで実際にドライバーに横乗りして撮影し、その編集作業の労力を考えると、本当に頭がさがる。このサイトを見たうえで面接の申し出があれば、採用・定着の確率がグンと高まると感じている」と話す。

また、「FLAGに依頼する前から採用サイトの制作に興味があり調べていたが、費用的には相場よりもかなり安価だった。FLAGには今後、新人ドライバー向けのマニュアル動画や習熟度を確認するためのテストなどの制作も依頼したい」としている。

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