北海道交通・物流連携会議(座長・吉見宏北海道大学大学院経済学研究院教授)の物流対策ワーキンググループ(座長・岸邦宏北海道大学大学院工学研究院准教授)の2回目の会合が11月20日、ホテルポールスター札幌で開かれ、トラック、海上貨物、航空貨物の各輸送モードの現状と課題について協議した。
「北海道交通政策総合指針」に基づいて北海道の交通を取り巻く環境の変化に的確に対応し、交通・物流に関する施策を官民が一体となって推進することを目指すもので、道庁が事務局を務め、北ト協、北海道通運業連盟、北海道通運業連合会、北海道船主協会連合会、北海道旅客船協会、JR貨物、札幌国際エアカーゴターミナル、ホクレン農業協組連合会、北海道漁協連合会の担当者らが参加した。
岸座長は「一回目の会合ではJR貨物について協議したが、今回はトラック、海上、航空について話し合い、これで北海道の物流を網羅できる。活発な意見交換をお願いしたい」と挨拶を述べた。
議事では、各輸送モードの輸送量の推移や「大きな季節波動」「片荷構造」といった特徴などが示されたほか、「高規格幹線道路の未着手区間の割合は全国では4・3%だが、北海道では25・9%」「道内での有効求人倍率は全業種で1・22倍だが、自動車運転手は2・33倍」「トラックドライバーの労働時間に関する制度の見直し」「船舶燃料のSOx規制」といった課題が報告された。
また、意見交換では、トラックドライバーの人材不足や労働時間の規制によって、「従来通りの輸送量が確保できない」「これによる物流コストの上昇」「商品価格への転嫁による競争力低下」などの可能性について問題視する発言が出された。