石狩湾新港企業団地連絡協議会(阿部仁会長)は1月18日、ANAクラウンプラザホテル札幌で新年交流会を開き、『北海道を支える物流』を元気にする会(相浦宣徳代表=北海商科大学教授)が「将来につなぐ『2018.9.6』〜胆振東部地震・ブラックアウトで何が起きたか、物流事業者の視点からの課題や将来に向けた提言など」と題してパネルディスカッションを行った。
同会の構成員である北海道物流開発(札幌市西区)の斉藤博之会長、幸楽輸送(同清田区)の不動直樹社長、北海道フーズ輸送(同西区)の近江大輔経営企画・物流部長、ジャスト・カーゴ(石狩市)の清野敏彦社長、富良野通運(富良野市)の永吉大介専務のほか、北海道物流ニュースを運営する玉島雅基記者が登壇し、震災時の出来事、問題点、今後の教訓などについてそれぞれの立場から話した。
同地域で事業展開する物流をはじめ、製造・卸・小売などの経営者ら140人あまりが聴講した。
登壇者は、当時の状況を動画や写真などで紹介しながら、災害時の物流についての教訓をそれぞれ披露。「行政の災害対策立案などへの積極的な参画」「今回の災害の記録・課題の取りまとめ」「既存の緊急輸送協力体制の定期的な見直し」「災害時の広域的な情報共有の仕組み」の必要性を訴えたほか、「BCP(事業継続計画)を用意することだけでも、有事の際の対応をイメージできるので取り組むべき」「自然災害の発生は当然のことと認識し、インフラ投資を拡大する必要がある」などと発信した。
石狩湾新港企業団地連絡協議会の阿部会長は「貴重な問題提起をしていただき、我々の協議会でも災害時対応の考えを深めていく必要を認識した」と述べたほか、来賓の高橋はるみ北海道知事は「道内の99%が停電から復旧するのに48時間かかり、みなさまのご苦労を行政として心に刻まなければならない。石狩湾新港地域は、道内のエネルギー、物流、輸出の拠点であり、道としても振興に向けて支えていかねばらない」と挨拶した。