札幌ボデー工業(堀田和宏社長、札幌市西区)は3月15日、2018年度「北洋銀行ドリーム基金研究開発助成金」を授与されたと発表した。
対象となった研究テーマは「ドライバーに配慮した宅配用軽自動車の開発」。
軽貨物車両は、積載スペースを確保するために布製の着脱式ルーフ(幌)を取り付けるのが主流だが、「耐久性・防水性・意匠性等が低い」という問題を抱えているため、同社では「FRP(繊維強化プラスチック)製の車体一体型」の着脱式ルーフを開発。
これにより、従来の布製の問題点を解決するとともに、内部に断熱材を貼付することで保冷効果も向上させる。また、リア部分はルーフ上扉とボディー下扉を連結させて間口の高さを確保し、荷室への乗降や荷物の積み下ろし作業を容易にする。ルーフとボディーの一面化で側面や背面の面積が広がり、広告用スペースの拡大にもつながる。
「ネット通販等による配送小口化が進み、人手不足やドライバーの高齢化に悩む物流業界では、即戦力として女性や新卒者に期待する傾向があり、運転が容易で運用コストの低い軽貨物車両へのニーズは一層高まると予想され、積載量が大きく積み下ろしも容易な本件車両への需要も増えていくと期待している」としている。
同基金は、北海道の中小企業等が行う新技術・新製品の研究開発に対して助成を行い、道内産業の振興と企業育成に寄与することを目的としたもの。今年度は全道各地から36件の応募があり、10件が助成先として選定され、それぞれ100万円を受け取った。
助成は今回の10件を含めて累計161件、総額1億 6100万円に達している。