「出前館」北海道初展開 飲食店の料理を新聞販売店が宅配

宅配ポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会(中村利江社長、大阪市中央区)は4月15日、札幌市で配達機能を持たない飲食店の出前を可能にするサービス「シェアリングデリバリー」を同日より開始すると発表した。
北海道における展開は今回が初めで、配達は朝日新聞サービスアンカーが担う。

同サービスの北海道展開により、タピオカと揚げトッポギの店「TOKOLA」、スープカレー店「SOUP CURRY KING」など地元人気店への出前注文が可能となる。既に関東・関西エリアで同サービスを導入しているハンバーガーチェーン「ロッテリア」の追加出店も決まっており、「ロッテリア札幌中央店」へも出前注文が可能となる。

出前館に注文が入ると、店舗及び配達を行う拠点(シェアデリ拠点)に直ちに注文が入り、店舗は指定時間までに料理を仕上げる。その後、配達は新聞販売店を始めとするシェアデリ拠点が所有するバイクや電動自転車と配達員で行う。
同サービスを行うエリアは、データベースによって適切な配達エリアが設定され、各飲食店舗のジャンルによって売上を予測することができる。それにより、シェアデリ拠点においても効率的な配達が可能となり、採算化が図れるメリットがある。同サービスを導入することにより、店舗は新たに配達員を採用しなくてもデリバリーサービスを実施できる。


北海道で同サービスの配達パートナーと朝日新聞札幌中央販売(札幌市中央区)の松尾光雄社長は「新聞配達のエリアはとても細かく、地域に根付き、これは大きな強み。この強みを生かした何かができないかと考えていた時に、『シェアリングデリバリー』の話があり、チャレンジしようと考えた。飲食店の配達を代行することで、新聞販売店が普段気づくことが出来ない強みを改めて考える機会になり、より組織としての能力を高めていくこともできるのではないかと考えている」とし、「これまで蓄積した配達ノウハウや、お客さまに真摯に向き合う姿勢などをしっかりとサービスに反映させていければと思っている。私たちのミッションは、配達を通してお客さまの満足度を高めること。お客さま目線を忘れず、北海道初の『シェアリングデリバリー』の基盤を作っていきたい」としている。


「TOKOLA」オーナーの早川昇吾氏は「当店のメニューであればデリバリーに向いていると思った。店舗はたくさんの方が座れる大きさではないので、テイクアウトできるパッケージで提供しており、すぐにデリバリーに応用できると感じている」と述べ、「SOUP CURRY KING」オーナーの藤井秀紀氏は「北海道では配達機能がない店がデリバリーをすることは前例がないと思う。試行錯誤し、軌道に乗せていければと思っている」としている。

出前館の年間総オーダー件数は2018 年度は2652万件にのぼり、前年同期に比べて28.5%成長している。需要が拡大している一方、新たな販路としてデリバリーサービスを開始したくても 人手不足や配達のリスクなどの問題により、二の足を踏む飲食店が多い現状があり、そこで同社では、配達機能を持たない店舗でも、出前館に加盟する複数店舗で、出前館が連携した配達機能をシェアすることにより出前が可能になるサービス「シェアリングデリバリー」を2017年より本格的に開始し、現在首都圏を始め関西・中京・福岡エリアにおいて展開している。
出前館は「シェアリングデリバリー」の配達拠点を、2019年8月末までに現在の124拠点から210拠点へ広げていくことを目標にしており、「今後もサービスエリアを拡大し、日本全国どのような場所からでも多様なジャンルの出前が注文できるようしていきたい」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする