札幌・北海道での水素サプライチェーンの構築や地域産業の創出に向けて、民間事業者や自治体など41団体が参画する「札幌市水素・再生可能エネルギー推進協議会」が6月13日に設立された。札幌市が座長を務め、物流業界からは日本通運とヤマト運輸が協議会員として参画。第1回協議会の会合を7月に開催する。
北海道の豊富な再生可能エネルギーに由来する水素を札幌市内に供給し、市民や企業の身近なエネルギーとしていくことを目指す。このためには、「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」の各工程の課題をクリアする必要があり、民間事業者などと課題解消に取り組みながら、札幌を中心としたエリアへの2030年以降の段階的な水素供給を進める。

「つくる」では、再生可能エネルギーのポテンシャルの高いエリアと連携し、発電事業と組み合わせたグリーン水素製造・供給モデルの構築を行う。「ためる・はこぶ」では、効率的に水素を貯蔵・運搬する技術(水素キャリア)を活用した既存物流・配送網との連携による水素輸送の実現を図る。「つかう」では、 民間事業者などと連携した水素利用機器の研究開発および需要の創出を行う。
札幌市の秋元克広市長は13日の会見で「再生可能エネルギーで製造した水素を安全かつ、安価に需要地である札幌へ供給するためには、水素の製造場所から札幌までどのような手段で運ぶかという検討が大変重要。気体のまま圧縮する以外に、液体や水素化合物に変えることで、効率的に貯蔵・運搬する技術である、いわゆる水素キャリアを活用した既存物流・配送網との連携による効率的な水素輸送を実現していきたい」とコメント。
また、「札幌に適した都市型の水素利用につながる取り組みを進めていきたい。そのために札幌・北海道での水素サプライチェーン供給網をどのように構築していくべきか、官民で連携して検討を行い、カーボンニュートラルの達成を目指していく。今回の札幌型の供給網をつくっていこうという肝は、再生可能エネルギーがつくられているそばで水素をつくり、その水素をどのようにして札幌まで運んでくるのかということ。輸送も既存の配送網を使っていくことでコストを下げることができるので、安全性の問題なども含めた検討をしていきたい」と述べた。