北海道エコ・モビリティ研究会 新しい観光と物流の姿探る 

北海道エコ・モビリティ研究会(高橋清会長・北見工業大学教授)は5月23日、北海道開発技術センターで5回目の会合を開き、サイクルツーリズムを中心とした「新しい観光と物流のあり方」についての課題を整理し、今年度の事業について確認した。
今年度は8月に国際セミナーを開催するほか、ツアーの実証を道北に加え、道東・道南にも広げる。また、全国での事例調査、広報の強化を図っていく。
 

同研究会は、2015年4月に「北海道版スイス・モビリティ研究会」として発足し、翌年「北海道エコ・モビリティ研究会」に名称を変更。サイクリングを中心に、カヌー、トレッキングといった人力によるアクティビティと公共交通機関を組み合わせて楽しむ「新しい北海道の観光モデル」を提案するため、道内の観光・物流・行政関係者らをメンバーとして、ルートの選定や受け入れ体制の整備などを進め、将来的には「産業化」を目指している。
 

北海道でアウトドア・スポーツを行う愛好家らの「同じ道を戻りたくない」「荷物は軽いほうがいい」「お土産も買いたい」といったニーズを満たし、「身軽に遊び、旅行・レジャーを楽しめる」よう、物流面では用具や手荷物の当日配送システムなどの構築を進めている。発足してから約3年間、先進地の視察や道内のモデルコースの設定、道北でのツアーの試行など行ってきた。

会議では、これまで試行ツアーの手荷物配送に協力したヤマト運輸北海道支社の菊池誠・経営戦略推進グループマネージャーが「北海道では5つのベース、164の宅急便の拠点、660の幹線輸送、1800の集配車両が整備されており、この宅急便のネットワークをベースとして、エコ・モビリティに関する当日配送を支援してきた。このほかにも道内の手ぶら観光をサポートできる様々なメニューが揃っており、グループのネットワークを通じて、北海道経済活性化に寄与できる」と報告、具体的なタイムスケジュールなどを説明し、今後、料金表の設計を行う考えを示した。
高橋会長は「北海道で自転車をはじめとしたアウトドアの一大ムーブメントの流れを推進していきたい」と話した。

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