北海道開発局、北海道運輸局、北海道経済産業局、北海道は10月23日、札幌第一合同庁舎で「道央ロジスク」を開催した。荷主と運送事業者ら約50社・70人が参加、オブザーバーを含めると60社・100人あまりが参加し、これまでで最大の規模となった。
「ロジスク」とは、中継輸送・共同輸送の実現に向けて、行政機関が物流マッチングの機会を提供する北海道独自の取り組み。行政が「お見合いの場」をセッティングするイメージだ。
北海道開発局が提唱し、昨年10月に旭川市で「道北ロジスク」として初開催、その後、12月に札幌市で「道央ロジスク」を開催した。今年度もこれまで「道東」「道南」「道北」でそれぞれ開き、今回で「ロジスク」としては6回目となる。
会場には12のテーブルを設け、荷主と運送事業者が抱えている物流の課題や、共同輸送・中継輸送したい品目・ルート、マッチング相手に希望する条件などを30分程度で意見交換。席替えによりテーブルメンバーを4回変更し、ワークショップ終了後は、参加者間でのフリートークの時間も設けた。
参加各社は今後、共同輸送・中継輸送のマッチングに向けて個別に協議を進めるが、事務局はアンケートやヒアリングなどを通じて、これらの進捗状況を把握し、必要な場合はサポートを行う。
スタートしておよそ1年が経過したが、「ロジスクがきっかけとなった恒常的な共同輸送・中継輸送のマッチング事例」は、事務局が把握しているものとしては未だにない。しかし、「商談を継続している」「実験を行なっている」事例は複数出ており、北海道開発局開発監理部開発調整課の松田斉久開発企画官は「参加各社から好評の声が多く、ロジスクが順調に浸透している。今年度は今回で終了する予定だが、来年度以降も継続したい。今回は片荷の解消や中継拠点が欲しいといったニーズが目立った。今後、中継輸送に特化したロジスクや、倉庫会社が参画するロジスクなど、バージョンアップをしていきたい」と述べた。
参加企業からも「帰り荷を探しており、商談を進めている企業が増えている」(シズナイロゴス)、「参加するたびに声をかけやすくなっている」(フジネット)、「規模の大きい会社と話すことができ、いい情報を得られた」(ノース・トラックス)といった感想を聞けた。