北海道開発局は5月18日〜6月21日までの1カ月あまりの間、道の駅「コスモール大樹」を拠点とした自動運転サービスの長期実証実験を行う。
自動運転に対応した道路空間の基準等の整備、地域の実情に応じた運行管理システムやビジネスモデルの構築に向け、全国初の自家用有償旅客運送による料金を徴収する長期間の実証実験となる。貨客混載、宅配との連携など物流面での検証も行う。
内閣府戦略イノベーション創造プログラム(SIP)第2期で進める「地方部における自動運転による移動サービス実用化に向けた環境整備」の一環として実施するもの。
車両は「GPSと磁気マーカ及びジャイロ センサにより自車位置を特定し、既定のルートを走行」する技術を採用。「コスモール大樹」に運行管理センターを設置し、車両からのリアルタイム情報(走行位置や車内の状況)をもとに運行状況をオペレーターがモニタリングする。
運行ダイヤをあらかじめ設定し、利用者はスマホや電話等を通じて乗車(希望時刻、乗車位置)を申し込み、オペレーターが利用者に申込結果を連絡する。
実験ルートは、①道の駅~尾田地区往復便(片道約12.5km、3便/日、運賃200円)、②大樹町市街地循環便(延長約4km、12便/日、運賃100円)。
「自動運転の円滑な通行のための空間の確保方策」「路車連携の技術」「運行モニタリングシステムの実用性」「自治体や交通事業者等の関係者の役割分担」「事業としての採算性・持続可能性」などのほか、「貨客混載による地域企業に配送の実用性」「宅配便事業者と連携した自動運転による代行輸送」などについても検証する。
将来的には、①高齢者等を道の駅や医療機関等へ送迎し、日常的な生活の足を支援する、②大樹町や社会福祉協議会の実施する高齢者を対象とした社会福祉事業との連携 、③貨客混載により、道の駅への農産品輸送、地元商業店舗からの商品配送、宅配貨物の配送で利便性を確保ーといったビジネスモデルを想定している。