ヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)と久原本家グループ本社(河邉哲司社主、糟屋郡)は7月6日、久原本家の原材料の調達から販売にいたるEnd to Endのサプライチェーン全体の最適化に向けた「共創ロジスティクスパートナーシップ協定」を同5日に締結したと発表。
久原本家は、1893年創業の醤油蔵を起源にもつ福岡県の総合食品メーカーで、福岡県を拠点に全国の販売店舗と百貨店の食品売り場やスーパーなどの流通店舗、公式通販サイトで商品の販売を展開している。創業200年を見据え、7月14日には調達元である北海道に新工場を開設する。複数のサプライチェーンの統合と最適化を検討してきた。
同協定の締結を機に、両社は北海道内のヤマト運輸のミドルマイルネットワークを活用し、北海道新工場の原料調達に関わる物流を構築する。また、「販売店舗」「流通店舗」「通販」向けの各サプライチェーンを統合し、福岡と北海道の両製造拠点から全国の顧客に向けた商品供給の最適化を進める。
共創ロジスティクスパートナーシップ協定では、次の4点について合意した。
1)「最適なサプライチェーンの構築」
チャネル・商品ごとで個別最適となっていたサプライチェーンを統合し、福岡・北海道の両製造拠点から全国に向けた最適なサプライチェーンを構築する
2)「タイムリーな供給を実現する物流体制の構築」
全国34の販売店舗及び取引のある流通店舗、また公式通販サイトで販売される商品、及び工場で使われる原料や資材1万点超の在庫を一元管理する。特に販売物流においては、チャネル間の在庫を流動化させ、需要や状況に合わせた最適な輸送方法をTMSでコントロールし、必要分のみを各拠点・店舗へタイムリーに供給する物流体制を構築する。
3)「原材料調達のための効率的なスキームの構築」
ヤマト運輸のミドルマイルネットワークを活用し、北海道・福岡の工場向け原材料調達の効率的なスキームを構築する。
4)「持続可能性のあるオペレーションの実行とCO2排出量の削減」
地球環境に配慮した、持続可能性のあるオペレーションの実行と、商品配送にかかるCO2(二酸化炭素)排出量を削減する。
今後、2022年7月久原本家の北海道工場稼働を機に、原材料調達スキームを段階的に導入する。2022年度より福岡・北海道の2つの製造拠点から全国に向けた全商品のサプライチェーン統合を順次進めていく。2024年度中には、同協定にて合意された、調達領域を含めた全チャネルの全商品の最適なサプライチェーンの構築を目指すとしている。