宮蘭航路スタート 新たな物流ルートに期待

室蘭市と岩手県宮古市を結ぶ新たなフェリー航路が開設され、6月22日に宮古港から就航がスタートした。
川崎近海汽船による「宮蘭航路」は、港間距離330㎞を1日1往復10時間で毎日運航する。使用船舶はシルバークィーンで、総㌧数7005㌧、全長134m、積載能力はトラック(12m)が69台、乗用車20台、旅客600人。運航ダイヤは、宮古発が8時で、室蘭着が18時。また、室蘭発が20時で、宮古着が翌日6時。

北海道では、苫小牧港が本州と結ぶフェリーの一大拠点となっているが、「宮蘭航路」の開設によって北海道と本州を結ぶ物流ルートがより太くなる。

北海道運輸交通研究センターの千葉博正理事長は「北海道で朝に採れた産品を夜までに室蘭港に持っていけば、翌朝6時に宮古、同9時半には仙台に荷物をつけられ、仙台の小売店の開店までに間に合うようになる。宮蘭航路を使った札幌南ICから仙台南ICまでの所用時間は13時間50分程度。リードタイムとコストの双方のバランスを考えれば、同航路はかなり魅力的な物流ルートとなる可能性がある。質の高い道産品の移出を行うのに向いている航路だ」とし、「宮古は盛岡との間で路線バスによる貨客混載便も行われており、北海道と岩手の運送事業者が上手に連携することができれば、新しい地域間物流の基幹ルートとなりうる。仙台方面だけではなく、更に足を伸ばして関東、中京、関西にも運ぶことも視野にはいってくる」と捉えている。

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