経産省、国交省、北海道は10月1、2の両日、札幌コンベンションセンターで「第3回ドローンサミット」を開催した。ドローンの実証実験や利活用・社会実装を一層進めることを目指すイベントで、兵庫県、長崎県に次いで、今年は北海道で開かれた。72の企業・団体が出展。最新の機体やサービスの展示をはじめ、事例発表、デモフライト、シンポジウムなど数多くのプログラムが行われた。2日間で約4400人が来場した。
主催者として北海道の鈴木直道知事は「北海道は広大で人口が分散する居住形態であり、ドローンを活用できるフィールド。ドローンの未来技術にふれ、実装に繋げていただきたい」と挨拶。
国交省航空局の北澤歩安全部長は「ドローンの機体登録数は40万、発行ライセンス数も1万5000を超え、能登半島地震の被災地でも情報収集や物資輸送に活用された。利活用がますます拡大していくため、引き続き、制度や各種手続きの見直しを図っていく」と述べた。
屋外会場では、50㎏の重量物を運ぶドローンや、衛星システム「みちびき」に対応した高精度な自動配送の様子などが紹介。「精度の高い測位を自律的に行い、妨害電波があっても検知・対応できる。誤差は3〜6㎝程度で、ピンポイントで飛行ができる。建物の屋上や限られたスペースでの離発着が可能となる」などと説明した。
全国新スマート物流推進協議会による「ドローン物流を組み込んだ新たな社会インフラの現在地と今後の展開」と題したパネルディスカッションでは、国交省の鶴田浩久物流・自動車局長、日本郵便の五味儀裕執行役員、佐川急便東京本社の佐藤諒平事業開発担当部長、セイノーホールディングスの河合秀治執行役員が登壇。各社が取り組んでいるドローン物流に関する実証事例や今後の期待について説明が行われたほか、事業ベースに乗せていくためには、コスト面や積載物の制約、安全性、ニーズなどが現状ではまだ課題が多いと指摘された。また、標準化や情報連携のルール策定といった課題も示された。鶴田局長は「ドローンは物流にとって新しい存在であり、今までのやり方を変えるきっかけとして欲しい。実証実験の支援も引き続き行なっていく」と述べた。