日本通運は7月8日、同月から札幌支店新札幌物流センター(札幌市白石区)において、自動走行するフォークリフト(AGF)とオートレーター(自動垂直昇降機)の連携による自動化システムを本稼働させ、夜間における出荷準備作業を無人化したと発表した。HPでは関連動画も公開している。
同センターは敷地面積1万9200㎡、延床面積2万8667㎡、鉄筋コンクリート造の地上4階建で、荷物用エレベーター7基、オートレーター3基を備えており、このうち、エレベーター1基をAGFと連動するオートレーターに更新。AGF 4台、オートレーター1基を導入した。
物流センターや倉庫におけるフォークリフトオペレーターや構内作業者の不足が顕在化し、また、働き方改革関連法の施行に伴い、倉庫業務における自動化技術を活用した省人化、省力化の推進は重要な課題となっている中、同社のロジスティクスエンジニアリング戦略室では、2017年から豊田自動織機、日通商事と協力し、食品や飲料の共同配送を行っている同支店新札幌物流センターにおいて、既存倉庫でも実現可能な自動化技術を活用した作業の省力化について検討を行ってきた。
その結果、出荷作業の一部について、AGFと、それに連携するオートレーターの導入によって、自動化が実現可能と判断し、2018年度以降、AGF導入を前提とした保管レイアウト変更等の準備作業を経て、今回の本稼働に至った。自動化マテハンの活用による省力化、働き方改革の推進に加え、入庫作業と出庫作業の錯綜の解消および人と荷役機械の役割分離によって、より安全な作業を実現する。
実施内容は、①「夜間における出荷準備作業の自動化」と②「入・出庫繁忙時間帯における縦持ち作業の効率化」。
①では、「翌日の出荷準備のために夜間・早朝時間帯に行っていた有人のフォークリフト作業をなくし、AGFとオートレーターにより完全自動化」「作業スタッフが帰宅後の夜間時間帯に、各階に配置したAGFとオートレーターが連携して稼働」「各フロアにパレット積みされた出荷予定貨物を、1階出荷待機場所まで自動で移動」などを行う。
②では、「日中の入・出庫集中時(トラックやピッキングへの対応で有人フォークリフトが繁忙となる時間帯)、オートレーターで各階に到着した貨物の荷受けをAGFに行わせることで、オートレーター上での滞貨解消によりオートレーターの稼働率を上げ、縦持ち作業に要する時間を短縮」を行う。
同社では、物流の分野での新しい技術に対応したサービスの構築に取り組んでいくとしている。