全ト協女性部会(原玲子部会長、日本興運)と北ト協女性部会(垂石勝美部会長、丸豊陸運)は7月24日、センチュリーロイヤルホテルで女性部会全道大会・交流会を開催した。
滋賀県トラック女子部会の部会長で、国交省の「女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方検討会」の委員も務めた平川千波氏(カロカ急配)が「女性が運送業界で働くという事とは…」と題して講演。
平川氏は、25年以上前に運送業界に入った頃からの苦労話を披露。周りは全て男性の中、女性ドライバーを雇って事業を行うと、「伝票に携帯番号が書かれていた」「営業ではなく、お誘いの電話がかかってきた」「現場で邪魔者扱いをされた」「男より少ない給料でもやっていけると言われた」といったことを経験したとし、「20~30年前は、女性が現場にいると『何しに来ているのか』と言われたが、現在は女性が活躍できる風潮に変わり、安心感がある。女性ドライバーは、子供が小さく手間がかかる時期には事務職や運行管理者として働いてもらうこともでき、男性より体力は劣る部分もあるが、知恵をふんだんに出してくれる。目配り・気配りがきく女性ならではの能力が発揮でき、トラック運送業界は、女性でも輝ける場所だと思っている。この業界をよくしていくため、女性ドライバーの応援団を務めたい」と話した。
また、委員を務めた「女性ドライバー等が運転しやすいトラックのあり方検討会」の中で「助手席に格納式のトイレを備え付けてほしいと要望した。キャンピングカーにはシャワーやトイレがついている。こういう発想がほしいと思っている」と述べた。
このほか、道内各地区ト協女性部会の活動実績報告が行われ、「手作りの交通安全マスコットを街頭啓発で配布した」「女性ドライバー専用のステッカーの作成を計画している」「揃いのポロシャツを作成した」など様々な取り組みについて情報共有が図られた。
原部会長は「全ト協女性部会は平成29年12月14日に設立し、20都道府県800人の部会員でスタートしたが、現在は26都道府県950人あまりの部会員となり、1000人にせまる勢い。今後も複数の県で女性部会設立の動きがあり、女性経営者の仲間が増えていくことを期待している」と挨拶。続けて、「トラック業界の人材不足は深刻かつ容易ならざる状況で、女性ドライバーの存在がものすごく大事になる。女性ドライバーの採用が増えていくよう声高々に訴えていく必要がある。女性ドライバーが働きやすい環境の整備などについて、女性経営者ならではの提案をしていこう」と呼びかけた。