北海道開発局は4月24日、「令和6年度農畜産物及び加工食品の移出実態調査結果報告書(令和5年調査対象)」を取りまとめたと発表した。
北海道の農畜産物と加工食品の道外移出実態を物流面から調査し、道外市場への効率的な輸送方法や流通コスト低減方策などを検討する基礎資料とすることを目的としたもの。農業団体、商系出荷団体及び関係企業に調査票を送付し、所要事項の記入を依頼して回収の後、取りまとめた。
137団体・企業へ調査票を送付・依頼し、122団体・企業から回答を得た。調査内容は、道内と道外に向けて出荷された農畜産物・加工食品の月別、輸送機関別、輸送先別、主要用途別、仕向先別の出荷量など。農畜産物53品目と加工食品11品目の合計64品目を対象とした。
道産農畜産物・加工食品に占める道外への移出割合(重量ベース、花きを除く)は 44・6%であり、砂糖は9割以上、小麦は8割以上、豆類、そば、野菜類、牛肉、乳製品は7割以上が道外へ移出されている。道内への出荷割合が大きい品目として、生乳と果実類が約9割となっている。生乳は重量として占める割合が大きく、かつ加工までの鮮度維持の観点から多くが道内の乳業メーカーの工場に移送される。この部分を除くと、道産農畜産物と加工食品に占める道外への移出割合は 77・4%だった。
月別出荷量の割合の推移を類別にみると、野菜類は8月から11月に年間出荷量の約6割が出荷され、花き(切花類)は6月から9月に年間の約8割が出荷されている。米類は10月に出荷のピークがあり、それ以外の月は概ね安定、生乳は1年を通して安定している。

輸送機関別出荷量(花きを除く)では、トラック・フェリーによる輸送が80・2%と全体の8割以上を占め、次いで、JR(11・4%)、内航船(8・4%)の順となった。航空機による輸送は1%に満たなかった。
道外への輸送先別出荷量(花きを除く)は、関東・東山地方への出荷が49・4%と全体の約5割を占め、次いで近畿(21・9%)、東海(11・9%)の順に多く、この3地域で出荷量全体の8割以上を占めた。