新十津川町 レベル3.5飛行による、災害を想定したドローン配送実証

新十津川町(谷口秀樹町長)と、エアロネクスト (田路圭輔社長、東京都渋谷区)、KDDIスマートドローン(博野雅文社長、同港区)、電通北海道(木村平社長、札幌市中央区)は3月15日、同5~6日に新十津川町内において、災害時を想定した「ドローンを活用した救援物資配送」実証実験を実施したと発表。
同町と各社は「ドローンのまちづくりに関する連携協定」を締結しており、今夏ドローン配送のサービス実装化を目指している。同実証では、平時から町内の新スマート物流網を構築し、災害等の有事の際には、買い物配送で利用しているドローンを、救援物資や医薬品配送へ転用することを想定したレベル3.5飛行による配送を行った。

また、先日開校した「KDDIスマートドローンアカデミー新十津川校」が来年度、物流専用ドローンの操縦を学ぶことができる「物流コース」の設置を検討しており、講習で使用する予定ルートでのデモンストレーション飛行も併せて実施した。

同町は、全農家のうち40%以上の農家がドローンによる農薬散布を行なっているなど、農業分野におけるドローン利用が全国トップクラスであり、ドローンを核としたまちづくりを進めている。今回は、今夏ドローン配送のサービス実装化を目指している中で、災害時に普段使用しているドローン配送網を災害利用へ転用することを想定したドローン配送を実施。また、物流専用ドローンの操縦について学び、目視外飛行を前提とした実地訓練を積むことが可能な国内初の「物流コース」の設置を計画しており、これらで使用する予定ルートでのデモンストレーション飛行も併せて実施した。

「新十津川町農村環境改善センターみらいえ」から「吉野地区活性化センター」のルートでは、地震などの災害時に土砂崩れなどで道路が寸断された場合、中心部から少し離れた町の西側に位置する吉野地区は陸路ではアクセスできず、孤立してしまう可能性があるため、そうした際に、ドローンを活用して空から物資を届けることを想定し、実証実験を行った。片道飛行の距離は約13.4km、約35分かかった。

「吉野地区活性化センター」と「吉野駐車公園」の往復ルートでは、次年度に設定を検討している「物流コース」で、使用を想定している飛行ルートとして「初級ルート」「上級ルート」を実証飛行した。片道飛行で「初級ルート」は距離約1.8km、約5分、「上級ルート」は距離約2.1km、約5分それぞれかかった。

今後も、「ドローンのまちづくりに関する連携協定」に基づき、相互に連携・協力し、同町の課題や町民のニーズに沿って、ドローンを活用した持続可能な新たな物流網の構築と人材育成による新たな産業の創出などに取り組んでいくとしている。

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