運送事業経営塾 第6期終了 「利益向上」テーマにディスカッション

運送事業経営塾(工藤英人塾生代表、工藤商事)は8月19日、札幌すみれホテルで第6期最終回となる6回目の例会を「利益向上」をテーマとして開催、20人が参加した。

マニュライフ生命保険札幌支社のチーフ・エグゼクティブ・プランライト・アドバイザーの丸一良太氏が企業価値向上に関して講演し、「銀行は全ての融資先を格付けし、金利や返済期間などの融資条件を決めており、その際、決算書をもとに定量評価を行っている。自己資本比率や債務償還年数、総資産経常利益率といった評価指数を意識することで、自社の格付けが変わり、融資条件を望ましい形に変えられる可能性がある。こういった指標は頭に入っているだろうか。決算書の作成を税理士に任せ、意識を向けていない事業者が少なくないが、決算書の数字を意識し、そこから自社の現状を把握し、企業価値の向上に向けて問題点の解決にあたってほしい」と述べた。
また、「経営の本質は、継続すること。利益は、経営継続のためのコストであり、翌年の売上を産むために使うのが原理原則。損得勘定や節税にフォーカスする経営は間違っており、税理士の言うままに『中小企業は少しくらい赤字がいい』『利益が出たら節税を行う』などとしていると、いつまでたっても銀行による格付けが低いままで、会社が強くならない。経営環境が変わると『お金を借りたい時に借りられない』といった状況に陥るかもしれない」と指摘。「経営者の仕事は、売上や利益を伸ばすことではなく、毎月毎年お金を残す経営を行うこと。目指すべき経営は『現金損益安定黒字経営』である」とし、財務に関する基本的な知識や、運送会社の財務改善事例を紹介した。

この後、利益向上に向けた各社の経費削減や運賃交渉などの取り組み・課題についてディスカッションを行い、「整備や修繕のコスト削減策」「車両1台ごとの収支管理」「従業員の多能工化」「荷主企業との距離感を見極めながらの運賃・料金交渉」などについて情報共有を図った。
同塾は「人」をテーマとして7期目も行うことを確認、紹介制により新規メンバーの募集も行うこととした。

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