エア・ウォーター北海道・鹿島建設 水素の製造・販売の合弁会社設立  フォークリフト燃料などに活用

エア・ウォーター北海道(北川裕二社長、札幌市中央区)は3月8日、鹿島建設(天野裕正社長、東京都港区)と共同で、 鹿追町において、国内で初めてカーボンニュートラルな家畜ふん尿由来のバイオガスから作られる水素の製造・販売等のサプライ事業を行う合弁会社のしかおい水素ファーム(粕谷智樹社長、河東郡)を2月に設立したと発表。
資本金は1億円で、エア・ウォーター北海道が51%、鹿島が49%出資した。
 
エア・ウォーターと鹿島は、2015年より、他2社と共同で、環境省委託事業である「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業」を進め、水素を製造、貯蔵、輸送、供給、利用するサプライチェーンの実証を行ってきた。
同実証を通じて、水素の実用性と需要、CO2削減やエネルギーの地産地消等による地域貢献の可能性など、水素の持つポテンシャルが確認できたことから、実証事業が終了する4月より、相互の知見・ノウハウを生かしながら共同で同実証事業を商用化・事業化することに合意した。

しかおい水素ファームでは、国内有数の家畜ふん尿の処理施設である鹿追町環境保全センターからメタン発酵により生成されたバイオガスの供給を受け、水素の製造を行う。
家畜ふん尿を由来とする水素は、国内唯一の事例となる。

販売方法は、①水素製造設備に隣接する定置型水素ステーションで燃料電池自動車(FCV)や燃料電池フォークリフト等への充填販売、②高圧容器で運搬し鹿追町および近隣の施設の燃料電池への供給販売、③産業用水素として工場等への供給販売―を予定。
②③の販売エリアは鹿追町内をはじめ十勝地域や北海道内を想定し、再生可能エネルギーの地産地消を推進する。

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