北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会 「段ボール」物流の懇談会を設置 荷待ち時間の削減に向けアドバンス事業を進める

北海道トラック輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会の今年度初、通算12回目の会合が9月18日、北海道トラック総合研修センターで開催され、新設する輸送品目別懇談会や新たに実施するアドバンス事業について協議した。

北海道では今年度、輸送品目別懇談会として「紙・パルプ」の物流を選択。このうち「段ボール」の物流に関する懇談会を設置し、関係者の連携の下、サプライチェーン全体での生産性向上及びドライバーの労働時間改善に関する検討を行う。
製造会社への事前のヒアリングの結果、「荷待ち時間が長い」という共通課題を把握したため、これらの改善方策をまとめる。10月からスタートし、年度内に3回をメドに開催する。

アドバンス事業も段ボール物流を選定。懇談会で内容を固め、年明けをメドに実証実験を行う。実証実験には、道内の主要な製造会社5社の参加を仰ぎ、運送事業者を巻き込んで進め、改善策を検討する。現状、荷待ち時間削減に向けて「トラック予約受付システム」の導入促進などを検討している。

同協議会の委員として、運送事業者からは工藤修二(北ト協会長、トッキュウ)、山本潤(大斗運輸)の両氏が新任、渡邊英俊(北海道フーズ輸送)、野村佳史(丸日日諸産業)、山本晴夫(山光運輸)の3氏が留任。荷主企業からは、ホクレン農業協同組合連合会管理本部物流部長の戸田弘二、北海道漁業協同組合連合会販売企画部長の平野康隆、マックスバリュ北海道取締役経営管理本部長の石橋孝浩、王子製紙苫小牧工場事務部長の鈴木雄輔の各氏が留任した。

北海道労働局の福士亘局長は「道内の有効求人倍率は全産業で1.21倍だが、自動車運転手は2.24倍となっており、人材の確保は一番の経営課題になっていると思われる。必要な人材の確保に向けて、トラック業界全体で働き方改革を推進し、魅力のある職場づくりに向けて踏み込んで考えていくことが求められている。平成28年度から2年間かけてパイロット事業を実施し、その成果をまとめた『荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン』は、課題解決の糸口となる。さらなる周知と普及を行って行く必要がある」と挨拶を述べた。

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