「運送業のための大事なセミナー」 人材集まる会社の秘訣を説明

行政書士佐々木ひとみ事務所(札幌市東区)とヤマシチ(岩見沢市)は10月17日、岩見沢平安閣で「運送業のために大事なセミナー」を開催、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険札幌支社、損保ジャパン日本興亜札幌支店岩見沢支社が協賛した。行政書士の佐々木ひとみ氏が「人材不足と労働問題を考える」をテーマに講演し、運送事業者ら約30人が参加した。

佐々木氏は、運送業界における人材不足と長時間労働に関するトピックスを説明し、「高齢化からくる健康起因事故」「認知症から発生する事故」「認知機能の低下によるうっかり事故」などを起こさないよう、健康管理の徹底を強調。対応策として「血圧計連動アプリや簡易認知機能テストを活用した出庫前の健康チェック」や「クラウド型のドラレコを活用したリアルタイムでの事故防止教育」などが有効だと述べた。

このほか、人材の採用や定着に成功している運送会社の事例を紹介し、「HPやSNSで会社の情報を発信しないと、とりわけ若い世代の新規採用は難しい。社内の様子がわからないブラックボックスの会社に自分が行きたいと思うだろうか。ドライバーの採用の前に、HPやSNSでこまめに情報を更新する人材の採用・育成も重要になる」と話した。
また、人材の定着に向けて、「管理者が各従業員を『よく見る』ようにするとともに、会社にとって望ましい人材像を示した評価制度を整備し、運用していくことが有効。その際、減点方式ではない評価制度としたい」とした。

改正貨物自動車運送事業法のうち11月から施行される「規制の適正化」「事業者が遵守すべき事項の明確化」の内容を解説した上で、「今後は、法令を守りながら利益を出せる企業でなければ、事業の拡大や生き残りがむずかしくなる。人に優しくクリーンな会社でなければ人は集まらない。運送業もこれからは社会貢献事業などに積極的に取り組む時代となっている。こういった活動が新しい人材の流入につながる」と訴えた。

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