北海道運輸局は4月3日、交通産業をはじめとした所管する業界の主な取り組みやデータなどをまとめた「北海道の交通と観光2020」を発表した。
交通政策部では、人口密度の低い地域が多く、広域分散型の地域を抱える北海道において、住民の移動手段である交通ネットワークの生産性向上、宅配便など物流ネットワークの効率化を図るため、「旅客鉄道や 路線バス、タクシーでひととものを同時に輸送する『ひと・もの協働輸送(貨客混載)』を推進」しているとし、道内では令和元年12月末現在「JR路線1区間、路線バス14路線、乗合タクシー1 区間、タクシー3地域で実施」していると紹介。今後について「物流事業者同士の連携による共同輸送や中継地点を用いた中継輸送などを進めていく」としている。
また、物流産業についての正しい知識とその重要性、社会的役割などの理解を深めてもらうことにより、 就職先として物流業界を強く印象づけるよう、「大学生や高校生を対象とする物流関係施設の見学会」を実施したと紹介。
自動車交通部では、北海道労働局、北海道トラック協会と連携し、荷主の協力を得て「北海道トラック 輸送における取引環境・労働時間改善地方協議会」を設置、令和元年度は、特に荷待ち時間の長い輸送分野に特化して、北海道の「紙・パルプ物流 (段ボール分野)」における課題の整理や改善策の検討を進め、トラック運転者の長時間労働の抑制に向けた荷待ち時間の削減や荷役作業の効率化に資する試験的な事業を行っていると紹介。また、物流関係者の労働環境の改善や物流そのもののあり方の見直しを目指す「ホワイト物流」推進運動を展開し、メーカー・卸・小売り・物流事業者や消費者に協力要請をしていると紹介した。
巻末には、道内運輸産業の概要が掲載されており、同31年3月末の貨物運送事業者数は一般貨物が3496、その他が323、貨物利用運送事業(1種)が978。普通倉庫の事業者数は305、冷蔵倉庫は129となっている。