商船三井(橋本剛社長、東京都港区)、エア・ウォーター(豊田喜久夫会長・CEO、大阪市中央区)、テクノ中部(伊出俊一郎社長、名古屋市港区)、協同海運(西村譲治社長、四日市市)、商船三井内航(小林洋社長、東京都港区)、シーエナジー(安井稔社長、名古屋市東区)、IHI原動機(村角敬社長、東京都千代田区)の7社は6月21日、内航LNG燃料貨物船「いせ みらい」で家畜糞尿由来の液化バイオメタン(LBM」)を舶用燃料としてトライアル使用する実証試験を伊勢湾内で行い、成功したと発表。
バイオマス由来のカーボンニュートラルなLBMを舶用燃料として使用することは、国内初の取り組み。
実証試験は2月に商船三井とエア・ウォーターとの間で締結した覚書に基づき、関係者の協力を得て実施。エア・ウォーターが十勝地方で家畜糞尿から製造するLBMを同船燃料として使用し、荷主であるJERAの貨物の海上輸送を通して、「既存のLNGサプライチェーンでLBMを輸送可能なこと」「既存のLNGローリーでLBMを同船に対してTruck to Shipバンカリング(係留中のLNG燃料船に対して、岸壁のタンクローリーからLNGを供給すること)が可能なこと」「同船の既存設備でLBMを安定して利用可能なこと」ーなどをそれぞれ確認した。
LNG燃料は従来の燃料油に比べてCO2の排出量を約25%削減する効果が見込め、カーボンニュートラルなエネルギーであるLBMを混合して使用することにより、更なるCO2削減効果が望める。また、LBM・LNGともに主成分はメタンであり、輸送や消費に関わる既存のLNGサプライチェーンを活用できるため、船舶運航における脱炭素化に向けた有効な手段となる。
商船三井とエア・ウォーターでは「今後、LBMの内航船での船舶燃料利用に向け、互いの知見を生かし、海上輸送の低・脱炭素化に貢献していく」としている。