日本製鉄  製鉄製造現場のDX推進に向け自営無線網の適用検証を開始  ディーゼル機関車の遠隔運転を検証

日本製鉄(橋本英二社長、東京都千代田区)と、日鉄ソリューションズ(NSSOL、森田宏之社長、同港区)は8月12日、NSSOLが総務省から自営等BWA(Broadband Wireless Access)の免許を同7日に受け、日本製鉄室蘭製鉄所において、製鉄製造現場における自営無線網の適用検証を共同で開始すると発表した。

自営無線網は、高速な無線網を自社専用に運用することで、大量のデータ通信を容量無制限で実現することができ、社外の通信網を一切通らないことから極めて高いセキュリティを担保することが可能となる。
また、自ら無線基地局を設置することで、公共無線網では電波の届きにくい場所など、広い敷地内の隅々まで通信できるメリットもある。

室蘭製鉄所では、構内を走行するディーゼル機関車の遠隔運転を適用検証の目標とし、第一段階として、ディーゼル機関車に高精細4Kカメラを搭載し、構内に4Gベースの自営等BWA基地局を設置。4Kカメラにより撮影された映像を伝送、分析することで、遠隔運転に必要となる技術要件、4Gベースの技術限界を確認する。
また、新たに高精度測位を適用することで、車両表示位置の精度向上を目指す。
各種情報の総合プラットフォーム化を推進するとともに、作業者への接近アラームなどの付加機能を強化していくことを検討している。

今後、第二段階としてローカル5Gの適用において遠隔運転に向けた伝送技術の確立、工場のデジタルツイン化、スマートファクトリー化の推進とともに、製造現場における5Gネットワークによるデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を目指すとしている。

室蘭製鉄所で得られた成果に基づき、他製鉄所への横展開、日本製鉄グループ各社の製造現場への展開も検討していく考え。

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