インターステラテクノロジズ 超小型人工衛星用ロケット「ZERO」打上げ対応の新射場着工

インターステラテクノロジズ(稲川貴⼤社長、広尾郡)は9月8日、初号機打上げを目指して開発を進めている超小型人工衛星用ロケット「ZERO」打上げに対応した新射場「Launch Complex-1(LC-1)」が、北海道大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」内で着工したと発表。新射場は大樹町が整備し、2023年度の完成を予定している。

同社は日本国内に自律的な宇宙輸送サービスを構築することを目指している。
世界の宇宙市場は年々拡大、2040年には今の3倍近くの110兆円の市場に成長すると予測されている。特に小型サイズの人工衛星の需要が大きく伸びているが、衛星を運ぶための唯一の手段となるロケットは世界の打上げ回数約140回(2021年)に対し、国内では年数回にとどまっている。
また、ウクライナ戦争の影響で世界の宇宙輸送の約2割を占めていたロシアのロケットを日本や欧米諸国は使えなくなるなど、宇宙輸送能力の強化が各国で急務となっている。

「ZERO」はインターステラテクノロジズが、観測ロケット「MOMO」に続くロケットとして開発を本格化させている、超小型人工衛星を宇宙空間(地球周回軌道上)に運ぶための小型ロケット(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)。衛星の小型化が進む中、大型衛星との相乗りとなる中~大型ロケットよりも、小型衛星が目的とする軌道に直接運べたり、打上げ時期やミッションへの自由度が高い点が特徴。
「ZERO」は、国内既存の人工衛星打上げロケットの価格が40~150億円であるのに対し、1機あたり6億円以下という圧倒的な低価格化を目指している。

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