シズナイロゴス「職員セミナー・経営発表会」組織改編 3PL事業部新設 北海道HSL日本語学校1期生卒業式も

シズナイロゴス(伊藤功一郎社長、札幌市白石区)は3月10日、札幌市教育文化会館で「職員セミナー・経営発表会」を開催し、来期の経営方針などを発表したほか、各種報告や表彰を行った。

伊藤社長は2019年度の指針をこれまでと同様、「変わっていくことを楽しんでください」と設定したと報告。「報連相を徹底するためにも、みんなでもっと話をして欲しい。目指すのは、より短い時間でより多くの給料がもらえる会社。実現のためにもコミュニケーションを密にし、知恵を集め、仕事の中身を変え、いい環境にしてほしい。楽しく仕事をして下さい」と訴えた。
重要施策として、①働き方改革への対応②3PL事業の業務拡大・新しい切り口への仕掛け③外国人労働者の活用④IT化によるサービス向上・スマホの活用の促進ーの4項目を挙げ、売上高38億円、営業利益1億6000万円とする計画を発表した。

また、新年度から主軸である3PL事業を総合的に運用するため、「3PL事業部」を新設し、「運送・倉庫」「ドライバー・リフトマン」の隔たりなく、一体として業務・教育・人員配置などを行う体制とすると発表。
このほか、「配送事業部の設置」「品質管理部の設置」「営業推進部の独立」といった組織改編を行うと発表し、主要部所がそれぞれ来年度の計画や取り組みの方向性を発表した。

また、昨年8月から雇用している北海道コンサドーレ札幌カーリングチームに所属する清水徹郎氏が日本選手権優勝・世界選手権出場を決めたことから、伊藤社長から金一封とモグモグタイム用の食品が贈呈。
清水氏は「チームとして初めて日本一になることができ、好結果を残せたのは、会社からのたくさんのサポートのおかげ。まだスタート地点で、目標は次の北京五輪で勝つこと。今後とも応援をお願いします」と挨拶を述べた。

閉会にあたり、伊藤昭人会長は「物流環境の急激な変化に対応することが重要。主軸の3PL事業は展開してから20年を経過しており、もう終わりに近づいているのかもしれない。これまでの物流は、メーカーで製造された商品が消費者に届くまで、メーカーの倉庫、問屋の倉庫、小売りチェーンのセンターなどを経由するのが一般的だったが、これからは大手ネット通販企業の倉庫だけを通過するという簡略化される時代に移り、3PLが縮小する」との見通しを示し、「衰退するものの夢を追い続けて正しいのか。特積み事業から3PL事業に転換したように、新しい事業の形を考えなければ、会社の継続は難しくなる」と危機感を表明。
「これからは、ホワイトカラーの定型業務をPC内のソフトウェア型ロボットが自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用が進む。これをいち早く取り入れると、配車業務や伝票整理などデスクワークが大幅に効率化できる。元号が変わり、新しい時代となる今年は、知恵を絞り、新しい技術を取り入れ、次代のシズナイロゴスの道を見つけて欲しい」と強く呼びかけた。

また、2017年度下期から運営している「北海道HSL日本語学校」の一期生2人の卒業式を開き、卒業生に伊藤社長より卒業証書、諸戸美穂校長より花束が贈られた。

同校は、将来の海外展開を視野に入れ、外国人の物流人材の育成・確保を大きな目的として設立、物流センター恵庭第2センター内に教室を設けている。ベトナム人1人、ネパール人15人が在校しており、希望者は週28時間まで同センターでアルバイトを行っている。

卒業生はともにネパール人で1年半のコースを修了。この間に学んだことを「卒業発表」として講演し、「来日時は挨拶程度しかわからなかったが、日本語を上手になりたいと頑張った結果、日本語能力試験のレベルがN5(基本的な日本語をある程度理解できる)からN3(日常的な日本語をある程度理解できる)にまで上がった。花見や雪まつりなど、季節の行事にも多く参加し、本では学べないことも経験できた。今後もより高いレベルに挑戦したい」と述べた。

また、授業がない時間に行った同センターでのアルバイトについて「当初は機器の使い方がわからず、商品のケースが同じに見え、配送先店舗の名前も覚えられなかったが、間違えるたびに指導をしてもらい、今では後輩に業務を教えられるようになった」と報告。「日本語能力試験に合格したのは先生のおかげ、仕事をさせてもらえたのは会社の皆様のおかげ」と感謝の言葉を述べた。

両氏は4月から、専門学校に入学し、日本語の能力をより高めていく。

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