苫小牧港管理組合と石油資源開発(JAPEX、藤田昌宏社長、東京都千代田区)は9月8日、苫小牧港西港区北ふ頭において、Truck to Ship方式によるLNGバンカリングトライアルを実施したと発表した。これは、LNG燃料を供給可能な岸壁に着岸した天然ガス料船へ、陸側のLNGローリーからLNG燃料を供給するLNGバンカリング実施方式の一つ。
同トライアルは、LNG燃料の供給先であるLNG燃料タグボート「いしん」を保有する商船三井(橋本剛社長、東京都港区)と「いしん」を運航する日本栄船(西尾哲郎社長、神戸市中央区)、海事コンサルティングを行うMOLマリン&エンジニアリング(中島孝社長、東京都港区)の協力の元で行ったLNGローリー輸送は日本石油輸送(原昌一郎社長、同品川区)に委託した。
2019年~2020年にかけて、苫小牧港管理組合とJAPEXは「苫小牧港LNGバンカリング検討会」を開催し、苫小牧港における LNG バンカリングの実施方式ごとの課題の洗い出しとその解決方法の検討、適用法令の確認などを行った。
今回のトライアルの実施により、検討会の検討内容のうち、Truck to ShipによるLNGバンカリングの具体的な検証ができたことに加えて、苫小牧港においてLNGバンカリングを実施する際の手続きスキームや必要インフラ等、より実践的な内容について知識と経験を蓄積することができたとしている。
「トライアルの実績などをもとに苫小牧港におけるLNGバンカリング拠点の形成を促進することにより、船舶からの温室効果ガス(GHG)や硫黄酸化物(SOx)の排出量削減への貢献や、今後の苫小牧港におけるLNGバンカリングの早期実現への寄与に向けて取り組んで参ります」としている。