高校生対象「物流体験会」第1部として北海商科大学・相浦教授が講義

北海道運輸局は札ト協と協力し、10月に札幌国際情報高校のグローバルビジネス科1年生120人を対象とした「物流体験会」を2部構成で開催する。
第1部では学識経験者による物流の講義を行い、第2部では実際の現場において倉庫の保管状況や荷役のしくみ、原料から製造・出荷までの製品の流れ(サプライチェーン)を体験してもらうとともに、物流事業者からの講話により、物流現場の『生』の声を聞いてもらう。
物流産業の重要性を学ぶことで興味・関心を喚起し、将来の就職先の一つの選択肢として積極的に検討してもらいたい考え。

札幌国際情報高校で10月7日、第1部として、北海商科大学大学院商学研究科の相浦宣徳教授が「『モノのながれ』で繫がる北海道と全国各地」と題しておよそ1時間にわたって講義を行った。

相浦教授は、北海道の物流に関する基礎知識をクイズを交えて説明。
「北海道は農産品等の一大生産地で道外への移出が盛んな一方、工業製品や衣料品、書籍、雑貨等は道外からの移入に頼っている。モノを生産しても消費地に届けなければ意味がなく、反対に、モノが欲しいと望んでも手元に届かなければ意味がない。北海道は色々な地域と結びついていかなければ生活・経済が成り立たず、こういった生産と消費の間を結び、空間・時間の隔たりを埋める役割を果たしているのが物流」と解説。
また、北海道と道外との移出入には海がまたがっているため、トラックによる陸上輸送では運べず、輸送ルートはフェリー、鉄道、飛行機に限られており、「これが北海道の物流の一つの弱みとなっている」と説明した。

「商品を購入する際、産地を確認するなど他地域とのつながりを意識すると視野が広がる。こういった意識は、人生において日々決断を重ねていく上で役に立っていく」と強調し、「物流業界は今後なくならない産業であり、就職の選択肢の一つとしては有望かもしれない」と述べた。

物流体験会の第2部は同23日、石狩湾新港エリアにあるエースの石狩第7物流センター、東洋水産の石狩新港物流センター、YKK APの北海道工場の見学に加え、工藤商事の工藤英人社長、幸楽輸送の不動直樹社長、ジャスト・カーゴの清野敏彦社長、北海道物流開発の斉藤博之会長の4人の経営者による講話が行われる。

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