損保ノウハウを軸とした新しい形のコンサル「トータルコンサルタント」

トータルコンサルタント(中田貴史社長、札幌市白石区)は、損保に関するノウハウを軸とした運送業専門の新しい形のコンサルタント企業だ。今年9月に道内最大級の物流施設集積地である大谷地流通センターで創業、運送会社に対し、安全管理体制の構築や、適切な保険の見直しといったサービスを提供していく。将来的には、安価で利便性の高い運送管理システムの開発や、高齢ドライバーの受け皿事業の構築を視野に入れている。

中田社長は、トラックディーラーで約4年間の勤務を経て、損保会社に入社、東京海上日動系列の代理店として独立。合併を経て、運送会社を中心とした法人向けの損保の取り扱いでは、同系列において道内最大手の代理店へと成長させた。約23年間にわたる損保業界での経験を活かし、このほど同代理店を離れて、コンサル業を展開していく。

多くの運送会社に対し、「その保険は必須か、ムダや足りない部分はないか」を車両ごとに緻密に設計・提案するほか、事故削減や安全面に関する指導やデータ提供を行い、運送事業者から高い評価を得てきた。この中で、「補償が重複している保険契約」「勘や経験に頼った安全・時間管理」「有効に使いきれていない車載器と管理ソフト」「現場ごとに標準化されていない作業手順」「うまく導入できていない運輸安全マネジメント」といった事例を見てきた。運送会社が抱えるこういった課題について、ノウハウ提供や指導を行なっていく。

具体的には、第三者の目線から損保の見直しを通じ、トータルコストの削減や、足りていない補償の提案を行う。「特に自動車保険以外の部分でダブっている所が結構見受けられるほか、『この仕事には、この補償が必要だろう』という場合でも、見直しをしていないケースもある。また、次のフリート契約に反映される損害率を『どのように考えれば良いのか』といったこともあまり知られていない」と語る。こういった保険の細かい部分の最適化の支援を行う。
このほか、運輸安全マネジメントの導入・継続的な運用に向けた指導や、運行時間や労働時間の改善の指導を行う。また、荷役作業や荷締めなどに関するルールやマニュアル作成も支援する。

将来的には、ISO39001の認証取得に向けたノウハウの提供、労務管理や配車業務向けのシステム開発、高齢化したドライバーの受け皿となる就業環境の整備も進めたい考え。損保代理店に向けても「法人への営業・対応」のノウハウ提供を考えている。

中田社長は「まだ正式なサービスメニューも料金体系も決まっておらず、ニーズがあるのかも未知数。だが、これまでの経験を活かし、お世話になった運送業界に損保を軸としてお手伝いできる部分が多いと感じている。最適で安心な保険に加え、『売りにできる』くらいの安全管理体制の構築を支援していきたい」としている。

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