北海道開発局函館開発建設部は2月17日、函館新外環状道路(一般国道278号)空港道路(赤川IC~函館空港IC)が3月28日に開通すると発表。これにより函館IC~函館空港間の所要時間が約20分程度、函館臨空工業団地〜函館空港間の所要時間が約10分程度それぞれ短縮され、流通利便性の向上や救急搬送の支援、交通事故の低減などが期待されている。
函館新外環状道路は、函館市桔梗町を起点とし、函館市古川町に至る延長約15㎞の地域高規格道路。北海道縦貫自動車道や函館・江差自動車道と一体となり、中核都市の函館市や近隣都市間を連絡する高速ネットワークを形成する。
このうち赤川IC~函館空港ICまでの延長7.6kmが開通することで、函館IC~函館空港ICまでの総延長が10.0kmまで延伸し、空港に直結。今回開通する空港道路は、函館IC~赤川ICまで片側2車線、赤川IC~函館空港ICまでは片側1車線の自動車専用道路で通行無料。
同開発建設部では、物流面の効果として、「精密機器製品の流通利便性向上」を挙げている。道南圏の物流拠点である函館空港・函館港を製品出荷で利用する函館臨空工業団地では、近年売 上を伸ばしている精密機器企業が立地。輸送ルートである道道函館上磯線(通称:産業道路)は、交通混雑が頻繁に発生しているため、交通状況に合わせた集荷時間の変更を余儀なくされ、出荷前検査や積込時間に大きな影響を与えていたが、空港道路の整備により定時性が確保され、精密機器製品の流通利便性が向上する。
函館臨空工業団地に立地している精密機器製造事業者の声として「立地企業の多くは航空便を利用しているが、産業道路は渋滞しており、かなり時間に余裕を持って出発するなど、読めない遅延が発生する不安が大きい。交通状況によっては輸送会社からの要請で、1~2時間程度、通常時よりも集荷が早まることがあり、出荷前検査の前倒しや航空便の出発時間に間に合わないこともあった。空港道路整備による、速達性や安定性などの定時性確保による流通利便性向上に期待している」と紹介している。