通信・電気工事、軽貨物・一般貨物運送事業を展開するアイ・リンク(本間勝行社長、札幌市白石区)は9月1日、2園目となる企業主導型保育園「あいりんく保育園新さっぽろ園」を厚別区に開園した。本間社長は「従業員への福利厚生の充実とともに、地域貢献の意味合いが強い」としている。
定員50人の中規模施設で、運営はオフィスティーアールワン(美山富子社長、同中央区)に委託。ターミナル駅であるJR新札幌駅(市営地下鉄新さっぽろ駅)から徒歩1分という交通アクセスの良さに加え、「森をイメージ」した広々として清潔感が溢れる園内に保育のための最先端の設備を備え、手厚いサービスを提供する。「選ばれる保育園」(美山社長)を目指したという。
地元の人気情報番組で紹介されるなど注目を集めており、十数人の園児を預かってのスタートとなるが、「連日、入園希望の問い合わせがひっきりなし」(同社長)の状況だ。
アイ・リンクは一昨年11月、同市白石区に定員12人のあいりんく保育園(現在の名称は、あいりんく保育園北郷園)を開園。音楽、英語、体操の専門講師を招いた教室や学習あそびの機会を定期的に設けるほか、まだ同市内に多くはない病児・病後児保育の専用設備も整え、コロナ禍でも安心して子供を預けてもらえるよう運営をしてきた。
「新さっぽろ園」では、こういったノウハウやカリキュラムを生かし、質の高い保育サービスを提供する。利用従業員には、安価な料金設定で認可保育園と同等の保育サービスを提供し、さらに各種教室や学びの機会を「プラスα」で提供する。設備投資も多額に及ぶが、本間社長は「子供たちの成長を考えたら、良い環境・充実した設備を整えたかった。のびのびと過ごし、いい子に成長してほしい」と目を細める。
同社では10月に中央区で3園目の開園を控えており、地場の中小事業者としては極めて異例の「およそ100人の園児」を預かる設置者となる。保育園の共同利用を希望する連携企業を物流業界の中からも募集しており、本間社長は「連携企業には、当社と同じような福利厚生を従業員に提供してほしい。採用の際に『提携している保育園がある』とアピールができ、従業員満足度も向上する。連携企業は契約料、手数料などはかからず、負担もデメリットも全くない」と説明。
「安心して働ける環境を整備するとともに、地域の待機児童の解消、保育の質の向上にも寄与したい。コロナ禍が収まった後は、園児たちにトラックなど働く車を見てもらうイベントを開きたい。あいりんく保育園から巣立った子供が立派に育って大人になり、一緒に仕事をすることができれば最高だ」と話している。
また、保育事業について「社内では『社長の趣味でやっている』と見られている。実際、そういう側面もある」と述べ、「保育施設は申請し、認められなければ設置が難しく、『やりたいから出来る』というものではない。しかし、将来的には出来れば市内全10区に設置できればと思っている」としている。