下北丸後継船「天然ガス専焼エンジンとバッテリ」のハイブリッド化

日本製鉄(橋本英二社長、東京都千代田区)、日鉄セメント(橋本康裕社長、室蘭市)、NSユナイテッド内航海運(福田和志社長、東京都千代田区)、石油資源開発(藤田昌宏社長、同)、常石造船 (奥村幸生社長、福山市)、川崎重工業(橋本康彦社長、、東京都港区)は9月30日、NSユナイテッド内航海運の保有する石灰石運搬船「下北丸」後継船について、天然ガス専焼エンジンとバッテリを組み合わせたハイブリッド推進システム船として建造することで合意したと発表。
「輸送契約覚書」「船舶燃料用液化天然ガス売買契約」「建造契約」「天然ガス専焼エンジンとバッテリ推進システム売買契約」を同日締結した。

下北丸後継船は、載貨重量トン数(DWT)が約5560㌧、全長約93.8m、型幅約18.2m、型深約9.9m。主に扱う貨物は石灰石で、主要航路は尻屋岬港―室蘭港。推進装置は、天然ガス専焼エンジン・バッテリハイブリッドシステム。
同船は2024年2月運航開始予定で、国内初の天然ガス専焼主機と2847kWhのリチウムイオンバッテリを搭載。LNGタンクには日本製鉄が開発した7%ニッケル鋼板を舶用タンクとして初めて使用するこ とを計画している。
巡航時には川崎重工業が開発した天然ガス専焼エンジンにて推進力と船内電力を供給する。天然ガスのみで高出力、長距離、 長時間の航行を行い、入出港時や停泊時はバッテリから推進力と船内電力を供給し、ゼロエミッション運転を実現する。

同船の推進システム導入によるCO2排出削減効果は、従来の同型船と比較し、23.56%(常用出力時約30%)となる。天然ガス専焼エンジンの排気ガス中にSOx成分は殆ど含まれず、NOx排出量は3次規制値 を大きく下回る。
さらに主要航路の積港・尻屋岬(青森県)と揚港・室蘭(北海道)では、地球環境にやさしいゼロエミッション運転を行う。

同船の建造は、環境省地球環境局と国交省海事局による令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業(うちLNG燃料システム等導入 促進事業)」に採択されている。

荷主が日本製鉄、日鉄セメント。船主がNSユナイテッド。液化天然ガス供給事業者が石油資源開発で、建造造船所が常石造船。推進装置は川崎重工業がそれぞれ担当する。

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