北海道開発局とヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)は10月20日、「北海道の生産空間の維持・発展に資する連携協力協定」を締結した。
北海道開発局では、「食」や「観光」など北海道の強みを提供する地方部を「生産空間」と位置付けている。今回、協力協定を結んだことで、北海道の地域社会への貢献という共通の目標の下、相互の強みやネットワークを相乗的に活用し、緊密かつ組織的な連携・協力体制を構築する。
連携する項目は、①物流の確保に関する取組、②道路交通の安全性の確保に関する取組、③災害等に伴い広域的に影響が及ぶ国道の通行止め時の情報共有に関する取組、④その他生産空間の維持・発展に向け両者が連携・協力することができる取り組みーの4点。
当面は、道北の物流システムの効率化及び道の駅の交通拠点機能の強化に向けて、道の駅「もち米の里☆なよろ」において中継輸送の実証実験を行う。また、ヤマト運輸及び協力企業のトラックドライバーが道路の異常や破損等を発見した際に「道路緊急ダイヤル」に通報するほか、災害等に伴う広域的な国道の通行止めが発生した場合、両者が情報共有する。
北海道開発局にとって「生産空間の維持・発展」に関する協定の締結は、6月のセコマグループに続いて2例目。物流企業としても、セコマグループの物流を手がけるセイコーフレッシュフーズに続き2例目となる。
札幌第1合同庁舎で同日、締結式を開き、橋下幸局長とヤマト運輸の松井克弘執行役員(北海道地域担当)が出席。
橋本局長は「ヤマト運輸にはこれまでも生産空間の維持・発展に関わる様々な社会実験に協力してもらってきた。どれも企業の利益につながる取り組みではなかったが、これらの取り組みの中で連携実績を積み、北海道の生産空間を守るという同じ方向を向いていることが確認できた。今回、表に見える形で協力関係が結べて嬉しい」と述べた。
松井執行役員は「当社は北海道で165の拠点、1870台の車両、7600人の従業員を抱えており、これらを活用して北海道の社会、道路交通の安全を支えていきたい。地域社会に新たな価値を創出したい」と挨拶した。