北海道経産局は3月31日、道内の中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する「事業継続力強化計画」のモデル事例をとりまとめたと発表。
2019年7月の同計画認定制度の開始以降、道内では今年2月末までに約1300件が認定されているが、地域・業種・事業規模などにより、想定する自然災害等のリスクは千差万別であるため、同局では、認定計画の中から業種・地域性・果たす役割などに着目し、それぞれの「事業形態や取り巻く環境等に沿った実効性の高い計画」のエッセンスを、モデル事例としてまとめた。
運輸業からは、北海道丸和ロジスティクス(遠藤和博社長、石狩市)の事例が「⼤規模災害時でも広域物流⽀援を担うパートナー企業群との連携強化」として紹介。
同社の事例では、連携事業継続⼒強化計画の構成メンバーは3社から始まったが、パートナー企業の参画が少しずつ増え、現在では計13社、同計画の終期である2023年3⽉までには30社の取り組みとなる⽬標を掲げている。
「BCPはすぐに収益などに結びつくものではないため、仲間づくりも簡単ではないが、社員・その家族を守るためには不可⽋の取り組みなので、地道に・着実にその必要性・重要性を説き続けていく」「災害⽀援協定を道内では、札幌市・帯広市・⽯狩市・芽室町・厚岸町、⼗勝総合振興局・釧路総合振興局と締結している。ゆくゆくは、すべての総合振興局・振興局と協定締結をしていきたい」などと記載。
また、「運送会社の多くは平時だとあまり⽬⽴たないが、平時は『当たり前なインフラ』が、⾃然災害などの有事の際も『しっかり機能するインフラ』であり続けられることが我々の強み。『災害に強い丸和』になっていきたい」としている。
同社の事例について、同局では「『BCPの輪』を広げていくことに⼤変熱⼼。新たな仲間を加えるために、これまでに数回の計画変更を行っており、単独計画・連携計画を含めて北海道内でこうした取り組みをしているのは同社だけ。今後も、同社の『強靱化』の取り組みに注⽬している」と評価している。
また、「このモデル事例を参考として、防災・減災の取り組みを具体的にイメージし、実効性の高い計画策定に繋げられるよう、支援機関と連携し、道内中小企業の計画策定を全力でサポートしていく」としている。