帝国データ札幌「 新型コロナ関連融資」調査 運輸・倉庫6割が活用

帝国データバンク札幌支店は4月7日、「新型コロナ関連融資に関する現在の状況や方針などに関する道内企業の見解」についての調査結果を発表。調査期間は2月14日~28日、調査対象は道内1066社で有効回答企業数は577社(回答率54.1%)。
 
新型コロナウイルスの感染拡大で業績が大きく悪化した企業を支援する公的な制度として、政府系金融機関と民間金融機関による金利や返済条件が優遇されたコロナ関連融資制度が2020年5月に設けられ、特に民間金融機関での実質無利子・無担保・据置最大5年・保証料減免などとともに、迅速な融資の実行が進められた。
 
新型コロナ関連融資について、「借りていない」道内企業は 39.9%、「借りた・借りている」は56.0%と半数を超えた。

「借りた・借りている」企業を業界別にみると、「製造」(65.7%)、「サービス」(61.4%)に次いで、「運輸・倉庫」は60.6%と高く、この3業界が北海道全体を上回り6割台となった。

借りた資金の使い道では、給与・賞与や福利厚生などを含む「人件費」が49.8%でトップ。次いで、「原材料や商品の仕入れなど」(46.1%)、「設備の修繕・更新など」(31.9%)、「新規の 設備投資や事業の拡張」(15.5%)が続いた。

現在の返済状況について、企業の49.2%が条件通りに返済しており、さらに37.4%は今後返済が始まる予定。今後の返済見通しでは、企業の84.3%は「融資条件通り、全額返済できる」 としている。一方、「返済が遅れる恐れがある」(2.2%)、「金利減免や返済額の減額・猶予など条件緩和を受けないと返済は難しい」(3.2%)、「返済のめどが立たないが、事業は継続で きる」(1.3%)、「返済のめどが立たず、事業を継続できなくなる恐れがある」(1.0%)など、 今後の返済に不安を抱いている企業が7.7%にのぼった。

同支店では「コロナ関連融資制度は、半数を超える企業が利用しており、特に小規模企業において当面の人件費や運転資金などに役立てられ、苦しい時期を乗り越える一助になったことがうかがえる。コロナ関連融資は先が見通せない時期に保険としての役割を果たすと同時に、企業の資金繰りを下支えしていたことが示唆される」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする