道商連「道内、道内―本州間の輸送力確保・再構築に向けた緊急提言書」

北海道商工会議所連合会(岩田圭剛会頭)は9月15日、「道内、道内―本州間の輸送力確保・再構築に向けた緊急提言書」を公開した。同連合会が2月から検討を始め、7月21・22日に国等に提出したもの。

①並行在来線「函館―長万部」間の維持・存続、②ドライバー不足問題、2024年問題等に対応する物流インフラの整備促進、③第2青函トンネルの早期調査実施、④貨物鉄道輸送へのモーダルシフトのさらなる推進―を主な内容としており、全道42商工会議所の総意として提言した。

同提言書では、「北海道の物流体系は、商習慣、荷物の種類、発送側・受取側のニーズに応じ変化を重ね『より適した形』に築き上げられたものであり、長い年月を経て構築された」ものの、「北海道新幹線の札幌延伸に伴う『函館―小樽』間の並行在来線問題」や「青函トンネルにおける新幹線と貨物列車の共用走行問題」、「トラック運転手不足問題」、「船舶の排出規制への対応」「激甚化・頻発化する豪雨・豪雪災害や将来の地震・火山噴火への備え」といった課題に直面していることから、「いずれも目前に迫る危機として、早急な対応」が必要と訴えている。

①並行在来線「函館―長万部」間の維持・存続については、「輸送モードのベストミックスを実現させるためには、並行在来線に貨物列車が通れるよう、鉄路の存続が大前提」とし、「ここが北海道全体の輸送力を左右する根源となる」と強調。また、2030年以降に新制度に移行する「貨物調整金制度」の財源が決まっていないことから、「新制度について今から議論を始める必要がある」とした。

②ドライバー不足問題、2024年問題等に対応する物流インフラの整備促進については、輸送力を維持するため「共同配送」「中継拠点」「流通備蓄倉庫」「パレット化」「物流MaaS等システム導入・AI活用」「貨物新幹線」など、あらゆる手段を講じる必要があるとした。

③第2青函トンネルの早期調査実施については、青函共用走行「時間帯区分案」では、新幹線、貨物双方の機能を存分に発揮するのは不可能であるとし、「新幹線、貨物、各々が本来あるべき経済効果を最大限発揮し、加えて、道路トンネルとしても活用できる」として、「第2青函トンネルは、 将来の北海道にとって不可欠」と提言した。

④貨物鉄道輸送へのモーダルシフトのさらなる推進については、カーボンニュートラルへの貢献につながるとした。

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