北海道電力は9月15日、石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC)、丸紅、北陸電力、関西電力、東北電力、およびWoodside Energy(Woodside)と共同で、豪州から日本への低炭素燃料アンモニアサプライチェーン構築に関する事業化調査(第2フェーズ)を実施することに合意し、共同研究契約を締結したと発表。
アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないため、大量のエネルギーが必要となる火力発電所や船舶用エンジン等の次世代低炭素燃料として有力視されており、製造・貯蔵・輸送に係わる技術が既に確立されていることから、低炭素燃料の中では比較的早期の社会実装が期待されている。
また、2021年10月に策定された第6次エネルギー基本計画において、アンモニアを燃料とした発電は、燃焼時にCO2を排出しない点に加え、ボイラー、脱硝設備等の既存発電設備の多くをそのまま活用できることから、2050年カーボンニュートラル実現に向けた電源の脱炭素化を進める上で有力な選択肢の一つと位置付けられている。
昨年度、JOGMEC、丸紅、北陸電力、関西電力およびWoodsideの5者は、天然ガス由来のアンモニア製造の過程で排出されるCO2にCCS・CCU(工場や発電所から排出されるCO2を回収し、貯留、または有効活用する技術)や植林等のCO2排出削減対策を組み合わせた低炭素燃料アンモニアについて、豪州での生産、日本への海上輸送、発電用・船舶用燃料用途としての利活用およびファイナンスの検討等を含めたサプライチェーン全体の事業化調査を実施。サプライチェーン構築に向けた課題を整理すると共に、経済性およびCO2排出削減効果の観点から実現可能性が確認された。
今年度実施する同プロジェクトでは、新たに北海道電力、東北電力を加えた7者にて、低炭素燃料アンモニアサプライチェーン構築の蓋然性を高めるべく、更なる詳細な事業化調査を行う。
同プロジェクトに参画する7者は、各々が有する技術、知見を活用することで豪州と日本の間における低炭素燃料アンモニアサプライチェーンの構築に努め、日豪両国の脱炭素化に向けた取組みを推進するとしている。