運送事業経営塾 「労働時間と賃金制度」の講演実施

道内運送事業者有志による勉強会の運送事業経営塾(工藤英人塾生代表、工藤商事)は6月19日、札幌市民交流プラザで今期2回目の勉強会を開催し、20人が参加した。

同塾は「2024年問題」に対応するため、適正な労働・拘束時間の管理体制や賃金制度、各種社内規定の整備などを隔月開催で1年間かけて進めていく。今回は「運送業における2024年問題対策〜労働時間と賃金制度」と題して、同塾オブザーバーの本間裕美弁護士(みらい共同法律事務所)が講演を行なった。

運送業界の残業代請求に係る最新の紛争事例や判例を紹介したほか、「手待ち時間と休憩時間の区別」「休日労働の活用方法」「歩合給制度の利点と問題点」など、労働時間管理や賃金制度で気をつけるべきポイントを説明。「労働時間を正確に把握し、法律に則った形で賃金を支払っているか、2024年度がスタートする前にしっかりと確認をしてほしい。また、時間外労働年間960時間を守ったとしても、この水準ではドライバーに脳・心疾患が起きると、労災認定や会社への損害賠償請求が来ることもある。適正な労働時間管理と併せて、ドライバーの健康管理にも配慮すべき」と述べた。
このほか、参加各社の労働時間を減らす取り組みや残業代の扱い、賃金制度などに対し、法律上問題がないか意見交換を行った。

同塾では今後、参加各社の労働時間が長いドライバーの日報や点呼簿、給料明細、賃金規定などを資料とし、改善すべき部分などをそれぞれチェックし、実際に改善につなげていく。

工藤塾生代表は「労働時間管理や賃金制度について、知っていると思っても、抜けている知識があると思う。自社の至らない部分を他社の前で話すのは恥ずかしく、勇気がいることだが、当塾ではそれによって他の塾生や専門家から有益なアドバイスを得られ、経営者として安心にも繋がる」と述べた。

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