北海道 「 フィジカルインターネット元年」に

北海道では、持続的な物流の実現に向け、経産省が主催する「フィジカルインターネット(PI)懇談会」が7月28日に全国で初めて開催される。

PIとは、インターネットの考え方を物流に適用した物流の仕組みで、「デジタル化」によって物資や倉庫の情報等を見える化し、「規格化」された容器に詰められた貨物を、複数事業者の倉庫や車両等を「シェアしたネットワーク」で輸送するという共同輸配送システムの構想。
近年徐々に浸透してきたPIの考え方を社会実装する動きが、全国に先駆けて北海道で本格的にスタートする。北海道においては「PI元年」を迎えたとも言える。

北海道経済産業局産業部産業振興課の佐々木悠太総括係長は「物流が持続的なものとなるよう、第三者の立場である行政として、PI懇談会を立ちあげる。北海道における物流課題の共有や連携・協業に向けた情報交換・機運醸成などを荷主も含めた形で進め、物流の生産性向上やデジタル化の推進などに少しでも寄与していきたい。今年度は懇談会を2回開催することを計画しており、初回はPIに関する情報提供が主になる。この中で参加者同士の名刺・情報を交換する機会も設けており、これをきっかけにPI構築に向けた具体的なアクションにつながれば」と語る。

現在、同懇談会への参加者を広く募集しており、佐々木総括係長は「2024年問題をはじめとした多くの物流課題について、まだ自分ごととして捉えていない荷主企業も少なくない。今後、これまで提供されてきた水準の物流サービスが当たり前ではなくなる可能性が十分あり、PI懇談会には多くの荷主企業に参加してもらい、問題意識を持っていただきたい。これが北海道全体のサプライチェーンの改善に波及すると考えている」と話す。

また、物流事業者に対しても「PIは『大きな話であり、自分には関係ない』と思われる向きもあるかもしれないが、こういった取り組みが荷役時間の短縮や作業負担の軽減、荷待ち時間の削減などに直結する。行政が主導して、荷主企業に持続可能な物流への働きかけを行っていることを知ってもらいたい。一社でも多く参加し、積極的なコミュニケーションを図ってもらうことで、PI構築に向けた取り組みの可能性が高まる」と呼びかけている。

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