JR北海道(綿貫泰之社長、札幌市中央区)は10月31日、2019年に鉄道事業を廃止した日高線(鵡川〜様似感)の廃線跡地で「ドローン操縦資格取得のための訓練スクールとドローン物流の実現に向けた長距離飛行訓練場」の活用をスタートすると発表した。
場所は、新冠町の判官館トンネル付近(約1.16㎞)で、mmガード(鈴木和清社長、東京都中央区)が運営する。11月から事業開始予定。
JR北海道では、日高線の廃線跡地について社外のアイデア・技術を取り入れるためにオープンイノベーションプログラムとして 2022年に協業の提案を募り、今年4月に協業事業者との案件を発表。今般、事業開始第1号として、2021年3月に鉄道事業を廃止した日高線廃線跡地において、mmガードがドローン開発フィールドおよび操縦実地訓練を始める。このほか、各種点検用ドローンの AIの開発も進める予定。
ドローン物流を実現させるためには、操縦者の技術だけではなく、電波の不安定な場所での対処を、ドローン制御プログラムに実装するための飛行テストが必要であり、判官館エリアは、廃線跡地の上空を長距離飛行できること、小高い山が電波を遮ることなど、訓練に適した要素が揃っているとしている。
11月からAI開発のためのデータ収集とドローンスクールでの野外飛行を開始する。その後、2024年8月には産業用ドローンの見本市の開催、2026年には物流ドローン実用化に向けた最終テストを予定している。