運輸防災マネジメントセミナー 雪害対策テーマに

北海道運輸局は11月27日、雪害対策をテーマとして、オンラインによる「運輸防災マネジメントセミナー」を開催、同局総務部の辻榮敏文安全防災・危機管理調整官は「近年、大雪による輸送障害が増えており、運輸事業者は雪害に対する防災力を更に高め、輸送の安全確保及び事業継続に繋げていくことが重要」と挨拶を述べた。

札幌管区気象台気象防災部予報課の宮川貴光予報官は、最近の道内での雪害事例や各種防災気象情報、気象庁が運営している情報サイト「今後の雪」などを紹介し、「数年に一度の猛ふぶき」や「記録的な大雪」が予想され、交通や物流への重大な影響が予想される場合、北海道では、北海道開発局、北海道運輸局、札幌管区気象台及びNEXCO東日本北海道支社が合同で緊急発表を行うほか、地方気象台と開発建設部が合同で発表を行うとして、注意するよう呼びかけた。

北海道開発局建設部道路維持課の鈴木武彦道路防災対策官は、 「北海道では大雪や暴風雪などの影響による国道の冬期間の通行止めが多く発生しており、冬期通行止め要因の約7割を吹雪が占めている。昨年度は複数路線の国道で51回、延べ1102時間の通行止めを実施し、数日間にわたり交通全般に大きな影響を及ぼした」と説明。「数年に一度の猛ふぶき等が予想される場合は、車両の大規模な立ち往生の発生による通行止めの長期化を防ぐため、早い段階で躊躇のない通行止めを実施する。通行止め実施後は、集中的な除雪により早期の交通解放を行うことで、住民生活や社会経済活動への影響を少なく することを目指す」と語った。
また、国が管理する道路において、「大雪時に急な上り坂で大型車等が立ち往生しやすい場所」を26区間436㎞選定し、集中的・効率的に優先して除雪を行うと報告した。また、WEBやメール、SNSなどによる防災情報の活用方法を解説した。

このほか、NEXCO東日本北海道支社が「高速道路における降雪・積雪時の災害事例とその対応」、国交省大臣官房運輸安全監理官室が「運輸防災マネジメント」や「国交省の防災業務」、北海道運輸局は発信する災害時の情報についてそれぞれ説明。
「降雪・積雪の予測はある程度可能なため、最新の気象予報・警報、道路交通情報を もとに、積雪や視界不良による運行中の立ち往生等を防止するための迅速な判断と対応が極めて重要。貨物輸送では一時運休・停止について荷主等に予め周知し、除雪後の輸送再開に備えることが重要。トラックなどでは、突発的な大雪に備え車内への食料・飲料などの備えも大切」などと説明された。

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