北ト協 「拘束時間管理表」 新バージョンも検討

北ト協では、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」を順守するためのExcelベースの簡易ソフト「拘束時間管理表」を作成し、HP上に掲載している。誰でも無償でダウンロードができる。
管理表のシートにドライバーの出勤退勤の時刻を入力すると、1日や1カ月の「拘束時間」のほか「休息期間」や「深夜勤務の回数」などが、「違反しそうか」「違反しているか」を自動判定してくれる。「予め設定した拘束時間を超える」など、改善基準告示に違反しそうな場合は背景欄が「黄色」に、違反があった場合は「赤色」で表示されるなど、各ドライバーの運行管理・労働時間管理の状況が一目でわかるようになっている。

北ト協の適正化事業部の一條誠弥部長は「巡回指導の際、改善基準告示における『1日の考え方(始業時刻から24時間)』や『拘束時間のダブルカウント』などについて、しっかりと理解をしていない事業者が少なからずいたため、これらの理解を促し、法令順守を徹底してもらおうと、事業者へのサービスの一環として作成した。拘束時間を守っているつもりでも、ダブルカウントの理解不足により、労基署に指摘されたというケースもあった。適正化内部にこういったシステムを組める人材がいたため、手弁当で作成して、巡回指導時などに必要な事業者に無償で渡すようにした」と説明する。

運輸支局長等からの指導要請に基づく乗務時間等告示違反営 業所に対する「特別巡回指導」がスタートした平成27年度に作成し、当初はCD―ROMによる配布やUSBから巡回指導先の事業所のPCにダウンロードするなどして、道内の事業者に提供していたが、同28年の年明け頃からHPで公開し、誰でも使えるようにした。HPを見た道外の事業者などから「活用してもいいか」との問い合わせがあり、その際は「少しでもドライバーの過労や事故防止に繋がるなら」と快く許諾している。

予算を使った「事業」としてではなく、今でも「無償サービス」として提供を続けており、一條部長は「プロのシステム会社の手によるものではないので、むしろ『システムに不具合やおかしな所があれば、教えてください』というスタンスをとっている」と話す。実際に事業者に使ってもらいながら、バージョンアップを進めてきた。

来年4月1日より、改正された改善基準告示が適用され、違反の基準が大きく変わる。これに合わせた「新バージョン」の作成については「検討中」だという。「改正改善基準告示バージョンも作成したいが、まだ具体的にシステムの改修に着手していない。4月までに間に合うかと言われれば、難しいかもしれないが、新告示に対応する管理表も自前で作成することを考えている。新しいバージョンができたら、こちらも公開したい」としている。

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