国内初・宅配便ロッカー「PUDOステーション」搭載の自動配送ロボによる実証実験 石狩市でスタート KCCS・ヤマト運輸など

京セラコミュニケーションシステム(KCCS、黒瀬善仁社長、京都市伏見区)とヤマト運輸(長尾裕社長、東京都中央区)、Packcity Japan(小川祐治社長、同千代田区)は9月11日、車道を走行する中速・中型無人自動配送ロボットにオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を搭載した移動型宅配サービスの実証実験を、石狩市緑苑台東地区の一部エリアで開始した。
PUDOステーションが自動配送ロボットに搭載されるのは今回が初めてで、特別仕様で製作した。実験には石狩市、豊田自動織機が協力する。

ヤマト運輸の個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」に登録した緑苑台東地区の住民が対象で、実際の宅急便の荷物を届ける(クール宅急便、着払い、代金引換、120サイズ以上の荷物は対象外)。サービス利用者の自宅から徒歩1分圏内の宅配ポイントまで自動配送ロボットが車道を走行して運ぶ。ロボットは東京から遠隔で監視する。実験は10月下旬までを予定。

ヤマト運輸は、2022年からKCCSと共同で中速・中型無人自動配送ロボットによる個人向け配送サービスの実証実験を行っており、地域物流支援サービスの実用化に向けた検証を進めている。実証実験を通し、人手不足の解決や多様化する荷物の受け取りニーズに対応した新しい移動型宅配サービスを検証し、効率的な配送サービスの可能性を追求していく。

同日、配送サービスのデモンストレーションが行われ、セイコーマート緑苑台店の敷地内で積み込まれた宅急便1箱が、住民の自宅近くまで運ばれ、荷物を受け取るまでの一連の様子を公開された。自動配送ロボットは約600m離れたポイントまで最高時速15㎞で車道を走行した。

ヤマト運輸札幌主管支店の矢田実支店長は「石狩市、KCCSとの取り組みを始めてから、試行錯誤しながら内容をアップデートしてきた。今年度は移動型の宅配便ロッカーの実験を行う。当社は『豊かな社会の実現に貢献』すると経営理念で示しており、この取り組みはまさに当てはまるもの。全国的に水平展開も期待できる」と述べた。

石狩市企画政策部企業連携推進課新産業創出担当の池内直人課長は「買い物困難社やドライバー不足などの社会課題の解決に向けた取り組み。この地域での自動配送ロボットの実験は3年目となり、住民の自動配送への認知度も高まっている。特に子供たちには人気がある。地域住民の実験への参加を促し、市民の利便性向上に向けて協力したい」と語った。

(玉島雅基)

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