さっぽろ産業振興財団は3月9日、札幌市産業振興センターで「札幌市ITイノベーション研究会〜EDIで加速する経営のイノベーション」を開き、物流EDIをはじめとした物流システムの開発・販売を手がけるイークラフトマン(札幌市中央区)の新山将督社長が取り組み事例を講演した。
同社は今年度、中小企業庁委託事業として「北海道の中小企業における次世代共通EDI連携について」とするプロジェクトを行い、その概要と結果を報告。FAXなど非デジタルで受発注取引を行っている中小企業数社に対して、次世代共通EDIを使用した場合の効果を検証。これまでアナログで行われていた小売店と卸売業間での食品類の発注〜受注回答の業務をEDIに変えた結果、作業時間が大幅に圧縮され、取引の処理時間は3分の1ほどで済む結果となった。特に「倉庫での在庫確認」をはじめ、「事務員の移動・作業時間」が大きく削減された。
新山社長は「手入力、手書き不要の効果は非常に大きい。『今までFAXでできているから(変える必要はない)』ではなく、日々の販売や取引の実績などをデータ化し、蓄積していくことが大事。受発注の分野は将来的にAIに代替され無人化される見通しなので、介在する人を減らし自動化していくことが重要」と強調した。