JR函館線「森~石倉駅」間 JR貨物の列車が脱線 レール腐食が原因の可能性

11月16日の午前1時41分頃、JR函館線「森~石倉駅」の間で、名古屋貨物ターミナル駅発・札幌貨物ターミナル駅行きのJR貨物の第3087列車が脱線した。列車は機関車1両とコンテナ貨車20両で編成しており、このうちコンテナ貨車5両が脱線した。

脱線は、鷲ノ木道路踏切付近から発生し、レールに損傷が3か所発生していることが判明。同区間を運行する貨物列車は同日より終日運休し、当該区間で復旧作業を進められた結果、同19日から運転を再開した。
JR北海道では、当該区間の軌道検測車による線路検測は10月6日に実施しており、この際は異常がなかったとしているが、脱線が発生したと推定される鷲ノ木道路踏切で、損傷した下り線側の右レールが著しく腐食していたと11月18日に公表。「現時点で運輸安全委員会から脱線の原因についての言及はないが、レール腐食が脱線の原因の1つになった可能性が高い」としている。

また、定期的に行なっている検査では「当該損傷レール腹部の損傷を把握できていなかった。レール内部に発生するきずや、レール底部に発生する腐食に着目した検査をこれまで行ってきたが、レール腹部の腐食が先行してレール損傷が発生することは予見していなかった」と説明した。

同社では「鹿部~長万部駅」間の類似条件下の7踏切(10か所)について、再度、超音波探傷器による点検を行い、今後、範囲を拡大し、点検を実施するとしている。

中野洋昌国交大臣は同19日の会見で「この事故による死傷者はなかったが、16日から18日にかけて旅客や貨物の輸送に遅れが生じた。運輸安全委員会による調査が行われているが、輸送の安全確保は鉄道事業者にとって最も重要な使命。このような事故が発生し、多くの旅客や貨物の輸送に影響が生じたことを重く受け止めている」とし、「事故発生直後に、JR北海道及びJR貨物に対して原因究明及び再発の防止の検討を指示した。加えて、全国の鉄軌道事業者に対しても注意喚起を行うとともに、必要な点検を行うように指示をした。JR北海道やJR貨物からの報告などを踏まえ、鉄道の安全・安定輸送の確保に向け、事業者を適切に指導していきたい」と述べた。

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