北海道農政事務所は2月18日、北見市のオホーツクJA Bldgで、北海道内の農産物輸送の流通改善を目的とした「北海道農産物・物流バランスアップセミナー」を開催、オンラインと合わせて100人以上が参加した。「北海道物流WEEK2025」の1コマとして開かれた。
今年度実施した道内の青果物物流に関する調査(北海道トラック輸送バランスアッププロジェクト)の中間報告が行われ、調査を担った道銀地域総合研究所が説明を行った。

同調査では、「出荷時はほぼ満載で、荷待ちも今回対象のJA(生産者側)ではほぼ発生しておらず、今後の改善余地は少ない」「対象先はいずれも2024年問題をクリア」といった実態を確認。
本州での荷下ろしの際、「ドライバーに作業をさせる」「24時間もの荷待ちをさせる」といった事例があるとして「道外での問題が大きい」としたものの、「現状では各地のJAと運送事業者がうまく連携して調整を図っており、すぐに(概ね3〜5年程度)運べなくなるような懸念は小さい」とした。
また、「札幌や苫小牧港など道央圏から遠隔にあるエリアや、まとまった物量を確保できないエリアは、すでに弾力的な農産品の輸配送が困難になりつつある」「遠隔地では、旭川や帯広などでの中継輸送を行わざるを得ない」状況だと報告した。
併せて、JRコンテナは非常に有力な物流チャネルであり、「便数が減ると生産者、運送事業者ともに大きな影響があるだけではなく、食料安全保障の観点からも問題がある」と強調した。
このほか、北海商科⼤学の相浦宣徳教授が「消費地に届いてこその『⽣産地』〜物流分野から農業分野への切なる問題提起」と題して講演した。