苫小牧埠頭株式会社(橋本哲実社長、苫小牧市)は5月28日、北海道の優れた農水産品や加工品等の輸出を一層拡大するため、苫小牧港利用促進協議会による支援を活用して、2019年7月~2020年3月まで、苫小牧港を仕出し港とし、シンガポールとマレーシア向けに冷凍小口混載輸送事業を開始すると発表した。
同事業は、苫小牧港が「食」の国際物流拠点化を目指すため、海上コンテナ1本に満たない小・中ロットの貨物や、航空運賃では割高となってしまうような道産食品に対し、同社が所有する冷凍倉庫(3500トン)を集約拠点とした冷凍小口混載輸送を実現し、低コスト運賃の提供と安定したコールドチェーンによって北海道の食の輸出促進を図るもの。
シンガポール向けに実績のあるプライム・ストリーム北海道(河東郡)と、マレーシア向けへの輸出を開始したとかち製菓(河西郡)と提携して商流を確保する。
また、ドライバー不足等による輸送力低下が著しい道内冷凍輸送を解決するため、道内各地に集荷・冷凍拠点を持つニチレイ・ロジスティクス北海道(札幌市西区)と提携して物流サービスの強化を図る。
シンガポール向けは、2019年7月~2020年3月まで、月2回の輸送を予定し、海上輸送日数は約18日間。
マレーシア向けは、2019年8月~2020年3月まで、月1回の輸送を予定し、海上輸送日数は約18日間。
同社では、苫小牧港における道内最大級の温度管理型冷凍冷蔵庫の建設をはじめ、 「食」の国際物流拠点の形成を目指す取り組みを進めており、今後とも「世界の北海道」における食産業の発展と輸出促進、物流高度化への貢献を図るとしている。