「運送業あゆみ一人親方組合」(向田裕一代表、札幌市北区)は現在、国の労災保険に加入する組合員を募集している。北海道、青森県で軽貨物の委託ドライバー、ダンプ運転者などを行っている運送業界の一人親方が対象となる。
軽貨物の委託ドライバーなど、運送業界で働いている一人親方は、労働者のような一般的な労災保険は適用されないが、業務の実態や災害の発生状況等からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいとみなされる人に対し、一定の要件の下に国の労災保険に特別に加入することが認められている。
同組合は平成20年北海道労働局認可を受け、運送事業を営む一人親方が業務上においてケガをした際、国の労災保険が適用される。
向田代表は「北海道の運送業界では、一人親方に対する労災保険特別加入の存在自体があまり知られていない。建設業界では浸透しており、建設業に向けた『建設業あゆみ一人親方組合』の組合員は2000人を超えている。一方、『運送業あゆみ一人親方組合』の組合員は、建設業の100分の1程度で、荷主及び一人親方に認知されていないのが現状といえる。厳しい労働環境の中、ケガをしても、『気合で治す』として病院にいかないケースもある。国の労災保険は保険料(月額1277円~)が安く、補償内容が充実している。業務中のケガ等に対し、治療・休業・障害・死亡の場合には生活保障という安心を提供したい」と述べる。
また、同代表は「運送業での既存の労災保険特別加入の団体は、軽貨物運送事業協同組合などと紐付けされていることが多く、労災保険適用のためには事業協組に加入しなければならないなどの縛りがある。これを敬遠して、労災保険加入に後ろ向きの一人親方も少なくない。当組合は、運送業の許可があれば、このような縛りは一切なく加入できる。北海道でこのような組合は非常に少ない。今後、北海道・青森県以外の地域にも一人親方労災保険加入対象エリアを拡大したい」とアピールしている。