運送事業経営塾 小学校での物流イベント拡大 初めて3自治体で開催

運送事業経営塾(工藤英人代表、工藤商事)では、「運送業界のPRと長期的な人材確保対策」と「小学校などでのキャリア教育」をマッチングさせる取り組みを拡大し、7〜9月にかけて初めて3自治体で行う。

同塾はこれまで、北広島市の教育委員会を通じ、同市内の複数の小学校で児童らに箱車やトレーラーといったトラックをはじめ、フォークリフトやスカイポーター、ショベルカーなど「はたらくくるま」の役割について知ってもらうとともに、運送業界のイメージアップを図る取り組みを行ってきた。昨年度は北海道運輸局との共催によるイベントも実施した。
今年度はこのイベントの開催自治体を広げ、7月に栗山町と北広島市の小学校、8月に北広島市で2校、9月に石狩市で2校の「計3自治体6校」で開催する予定。このうち3校では、父兄参観日に実施し、親世代にも「運送業界の楽しさ・すばらしさ」をPRする。「トラック運送業界に就職する」ことにネガティブな考えを持ち、就職に反対する「親ブロック」を防ぐ効果も狙う。

同塾のメンバーが中心となり、車両やドライバーを派遣し、トラックなどに「触れて、乗って、知ってもらう」ことを通じて業界のイメージアップを図り、長期的に人材確保につなげていく自発的な取り組みで、どこからか予算が出る訳でもない。日当もなく、完全に手弁当だ。

イベントの内容も「エアサス車の荷台で飛び跳ねる」「ウイング車の荷台を閉め切り、お化け屋敷のようにする」「ユニック車でUFOキャッチャーをする」「冷凍車の荷台で寒さを体験する」「それぞれの車両を回る度にシールがもらえるスタンプラリー形式を採用する」など、児童が喜び、業界に親しみをもってもらうよう工夫をこらしている。
運送業界が小学校で行うイベントでは、主に「交通安全」を訴えることが多いが、同イベントはそれぞれの車両がどのように動くのか、どんな仕事をしているかを間近で説明し、実際に車両に乗ったりさわったりする機会を提供し、「運送業界の魅力」を訴求する。

イベントを通じて同塾では、参加したドライバーが「児童がトラックで喜ぶ姿」を見ることにより、「トラックドライバーという仕事に対して改めて誇りを持つ」「子どもたちに恥ずかしくない運転や整備・清掃をするようになる」などの教育効果も期待している。

同塾では、「我々物流業は地域に根差し、地域に認められ、地域とともに歩み続ける存在であり、地域との信頼関係が前提。私たち地元企業自らが物流業の素晴らしさや、仕事のやりがいなどを発信する責任があると考えている。我々は胸を張って誇れる企業でなければならないと考えており、安心して働ける就職先であるべき。子供たちの親御さんが心から安心して送り出せる企業であることが理想。この活動はいわゆる、10年後に入社してくるであろう新入社員への企業説明会という意味合いを持っている」としており、小学校でのイベントの実績を重ね、「運送業界の人材確保」と「小学校のキャリア教育」を両立する取り組みの意義を広く発信していく考えだ。

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