北海道物流開発(斉藤博之会長、札幌市西区)は7月20〜22日にかけて、石狩事業所で物流の合理化を支援する各種商材を組み合わせて紹介する「イノリフト展示会」を初めて企画・開催した。
会場が密にならないよう招待制で開き、道内の物流企業、荷主企業、シンクタンク、行政関係者ら約50人が来場した。
荷役機器イノリフトを販売するフレンディックスジャパン(高崎市)のほか、冷蔵・冷凍コンテナを展開するサンデン・リテールシステム(東京都千代田区)、梱包材の川上産業(同)、産業用ヘルメットなどを展開するDIC プラスチック(さいたま市大宮区)が出展、それぞれが扱う商品・サービスを展示した。
フレンディックスジャパンが展示したイノリフトは、パワーゲートとハンドリフターの機能を兼ねたコンパクトな電動の貨物ローダー。荷物とともに荷台に積み込むことができ、集配先でフォークリフトやパワーゲートなどがなくても、重量物の荷役作業が1人でも行うことが可能。フォークマンの人材不足が進行した場合にもこれを一定程度、補うことができる。
サンデン・リテールシステムは今秋発売予定の新型コールドロールボックス(CRB)のレボクール(REVOCOOL)の実機を北海道で初めて披露。様々なトラックへの積載、カゴ車との混載を想定して、従来のCRBをより小型化、「W1100mm×D800×H1700」のサイズにし、標準的な4㌧車、2㌧車でも2列で搭載できるようにした。位置情報や温度のほか、施錠も遠隔で管理ができる。
川上産業は、軽量大型コンテナ「デカボ」などを展示、DIC プラスチックは軽量ヘルメットや通気性が優れたヘルメットなどを紹介した。
北海道物流開発では、「イノリフトとレボクール」を組み合わせることで、「冷凍車1台を仕立てるほど荷物がなく、物流のコストが高くなる地方部などへの低温度帯商材の配送でも、ドライのトラックにレボクールを積み合わせることで配送を維持できる」ことや、「イノリフトとデカボ」を組み合わせることで、「荷役や陳列などを大幅に効率化・負担軽減させる」ことなどを想定。
会場では来場者に向けて、イノリフトを活用してバンや軽車両、4トントラックにレボクールやデカボを積み下ろしするデモンストレーションを実施。このほか、「地域共同配送」「物流のモジュール化」など、近い将来に北海道の物流を維持するために必要と同社が考え、提唱しているキーコンセプトを紹介する動画を放映した。
斉藤会長は「コロナ後に物流効率化・合理化に手をつけるきっかけ作りとしてこのイベントを企画した。これらの製品の活用によって、物流現場での手積み手降ろしをなくすきっかけとしたい。展示した商品単体としてではなく、全体で1つのソリューションとして考えており、活用によって物流の作業改善、物流全体の効率化を進めることができる。物流をCRBやカゴ、パレットの単位でモジュール化し、これらを効率的に積載し、稼働させることで大幅に物流の生産性向上が図れる」と話している。