「あらたな視点に立って経営を見直してみよう」から見る 2018年度の道内トラック運送業の経営実態 

北海道のトラック運送事業者の経営実態について、北ト協が3月に発行した冊子「あらたな視点に立って経営を見直してみよう」から見てみる。同冊子は道内1210の事業者を調査したもので、最新のデータは2018年度。調査作業は北海道運輸交通研究センターが担った。

同年度の道内事業者の事業規模の割合は、車両数5台以下が17・1%、6〜10台が23・0%、11〜15台が15・4%、16〜20台が12・2%、21〜30台が13・3%、31〜50台が10・8%、51〜100台が6・1%、101台以上が2・1%となっている。10台以下の事業者の割合が41・1%、51台以上の事業者は8・2%となった。

運送事業の営業損益を見ると、黒字を出しているのは全体のうち52・2%で、半数近くの事業者が本業で赤字となっている。これを規模別で見ると、運送事業で営業黒字を出しているのは10台以下の事業者で49・2%、11〜20台では48・9%、21〜50台では52・7%、51台以上では64・5%。51台以上の規模では、事業者のおよそ3分の2が運送での営業黒字を達成たが、それ以下の規模では約半数が本業で赤字となった。
また、事業全体の経常損益では全体の64・5%が経常黒字となった。

運送事業における利益率は、全体で経常損益率が2・15%。規模別では、10台以下の事業者で1・14%、11〜20台では0・62%、21〜50台では2・33%、51台以上では2・57%となった。

運送収益に対する費用比率などの平均値を見ると、売上高にあたる運送収益は3億5867万円。このうち、運送費の人件費は26・18%、燃料油脂費は11・60%、修繕費は5・10%、減価償却費は5・18%、保険料は1・65%などとなった。一般管理費は11・22%。

このほか、北海道全体の主な経営指標を見ると、実働率は56・9%(前年度比0・9ポイント減)、実車率は64・7%(同3・2ポイント増)、日車あたりの営業収益は5万4800円(同4600円減)、走行距離あたりの営業収益は296円(同14円減)、労働分配率90・3%(同13・4ポイント増)などとなっている。

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